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Vol.204 『スクープ 悪意の不在』

スクープ 悪意の不在観賞映画振り返りコラムの71回目は1982年に観た『スクープ 悪意の不在』。ポール・ニューマン主演の、俗に言う社会派と呼ばれる作品。丸の内ピカデリーで鑑賞。
労働組合リーダーの行方不明事件の容疑者に仕立て上げられたギャラガー。その裏には、FBIによる工作があり、マスメディアによって追い詰められたギャラガーの周りでは自殺者まで出てしまう。身の潔白を証明するための対決は、判事立ち会いの査問会にゆだねられる。


最近はあまり見かけなくなりましたが、昔はこうした社会派映画というのがよくありましたね。有名なところでは『十二人の怒れる男』とか『大統領の陰謀』など。ポール・ニューマンは決してアクション系の役者ということではありませんでしたが、どうもこうした映画からは縁遠く、そのせいもあってかオスカーを受賞することもありませんでした。そのためか、この映画を観たとき感じたのは、アカデミー賞を狙いにきたという印象でした。
メディアによる世論の煽動というのは、今の日本でもいろいろ実感できるところではありますが、そうしたテーマを取り上げることによって役者としての厚みを出そうとしている印象がありありと出ていたわけですが、演技力はもちろん問題なく、これでいよいよオスカーかなという気はしてましたね。残念ながらこの作品では取れないんですが。
テーマは大きいわりに、全体が小さかったというところでしょうか。メディアによるねつ造も、結局はFBI主導による情報操作であり、悪意というよりも善意で行っていたという形で、そもそものテーマから最終的に外れてしまうんですよね。
メディアという力がどれだけの影響力を持ち、一個人がそれにあらがうことがどれだけできるのか?という話であるはずなのに、いや実はメディアは悪くないんですよ、FBIが黒幕なんですよ……という……何かこう、シナリオに迷いがある感じがしましたね。非常にいいテーマだけに、もったいない、そんな気がした作品でした。
サリー・フィールドが記者役というのも、ちょっと重みがなかったですね。単なる役者のイメージなんだと思いますが、この配役はちょっといただけなかったなという気がします。もう少し骨太な人、いるだけで存在感がある、そういった役者が配されていたら、かなり印象は違ったような気がします。
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