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Vol.205 『1000年女王』

1000年女王観賞映画振り返りコラムの72回目は1982年に観た『1000年女王』。浅草東映パラスにて鑑賞。
1000年周期で地球に接近する第10番惑星ラーメタル。1999年、そのラーメタルは地球を侵略しようと目論んでいた。しかし、ラーメタルから地球に派遣され、地球人を導いてきたという1000年女王は、その野望を阻止することを決意する。


ヤマトや999といった作品のヒットにより、人気の絶頂にあった松本零士さんの新聞連載、TVアニメ、そしてこの映画という形でメディアミックスの先駆けとなった作品。松本作品とのコラボでヒットを連発したフジサンケイグループがバックアップし、かなりの露出量で宣伝していた記憶があります。
ヒミコ、楊貴妃、クレオパトラといった歴史上の人物達も実は1000年女王であったとか、1000年に一度災いをもたらす星であるなど、話としては壮大なスケールにも関わらず、結局は主人公の周りだけで完結するこじんまりとした展開。1000年女王が作っていたノアの箱舟が、これまでのアニメではありえないスケールであったり、見どころがいろいろある作品だけにすごくもったいなかった感じでした。
「1000年女王はメーテルなのか?」というキャッチコピーはかなり扇情的で、1000年女王の本名がラー・アンドロメダ・プロメシュームII世という名前であったり、『銀河鉄道999』との関連をほのめかせていましたが、この作品中でその関連性にはまったく触れずじまい。裏設定やその後の作品などでその結びつきを語られたようですが、この作品単体で考えたときには詐欺的なコピーですね。
観終わった後の感想としては、普通におもしろい作品でありましたが、『銀河鉄道999』のときの感動には遠く足下にも及ばない作品と思いましたし、ピークは過ぎたという印象が強かったですね。
この作品の音楽を喜多郎さんが担当していたのはすごく印象的でした。当時、NHKのシルクロードのテーマなどを手掛けていた喜多郎さんですが、その雄大な音楽をアニメに使用することで、宇宙の深さを感じるようなBGMになっていました。そういえばこのサウンドトラックをLPレコードで買ったのですがどこ行ったかなぁ。押し入れのどこかにあると思うんですが。
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