Extra 『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第四章「天命篇」
新宿ピカデリーにて『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第四章「天命篇」を鑑賞。全七章で製作される『宇宙戦艦ヤマト2202』の第11話~第14話をまとめた3週間限定のイベント上映。
テレサに会うために惑星テレザートを目指すヤマトを襲うミサイル。その危機から脱するためにワープを行うが次元断層に陥ってしまう。からくもその次元断層から脱出したヤマトは白色彗星に遭遇し、その圧倒的な戦力を目の当たりにする。
そして、ついに到達したテレザートではゴーランドが率いるミサイル艦隊が待ち受けていた。空間騎兵隊の活躍もあり、ゴーランド艦隊、そして地上守備隊のザバイバル陸戦師団を退けた古代たちはテレサと邂逅する……。
いよいよ物語も中盤。第四章では白色彗星との戦いがメインに……と思ったら、いきなりのデスラー戦。瞬間物質移送機で追い詰められるヤマトが迷い込んだ次元断層での脱出劇。なんだかくどかったですね。何やらそれっぽい言葉を羅列して、聞き慣れない言葉や新しく作られた言葉が乱発されるのですが、まったく説得力がない感じ。
全体的に言えるのですが、旧作をリファインするのに科学的な考証を加えてリアリティを増そうとしているように見えて、その実は、結局のところオカルトだったりします。くどくど説明してるくせに、最終的に“それは縁だよ”みたいなね。『宇宙戦艦ヤマト2199』はこうしたところをうまくやっていたと思うのですが、『宇宙戦艦ヤマト2202』ではそれが鼻につく感じがします。
『宇宙戦艦ヤマト2199』における旧作になかった設定や結果なども大きく作用している気がします。それを打破しつつ、本作の物語を進めていくことへの矛盾が解消しきれていないというべきでしょうか。スターシャとの約束で封印した波動砲を第三章で使用したにも関わらず、本章でまだ引きずっていたり……。波動砲を使う使わないという約束が、いつの間にか命を奪うか奪わないかという話になっていて、それについて悩んでる古代というのはどうなんでしょう。
また、ガトランティス側の設定もぶれている気がしました。ゴーランドはバックエンドが語られ、観客の心に響くエピソードになっていましたが、ガトランティス人のメンタリティからは外れてますし、ここまで登場したガトランティス人からは想像できない言動だったので、せっかくの演出が、悪く言うと白々しくも感じられてしまいました。旧作や前作より深掘りするのはいいのですが、掘ってる場所が見当違いというイメージと言えばいいでしょうか。
サーベラーにもこれまでなかった設定が出てきましたが、こちらはメンタリティというよりは、先ほども書いたようにオカルトで……。アケーリアス文明がからんできそうな気配ですが、『宇宙戦艦ヤマト2199』でのアケーリアス文明の設定と似て非なるものになりそうですね。
旧作でのゴーランド艦隊との戦いからテレザートへの降下作戦は、新しいキャラクターである土方艦長と空間騎兵隊の実力のお披露目的な要素があったわけですが、本作ではその必要がない分、余計な要素を加えて間延びした感が否めません。旧作通りにすべきとは言いませんが、加えるのならもっとスピード感を持って、戦闘の激しさを増すべきだった気がします。
ザバイバル軍が戦車でなかったのも残念でした。あの戦車がどのようにリファインされるのかを楽しみにしていたのですが……。いまは、あの戦車道アニメがあるわけで、ヤマトであればそれを超える映像を見せてくれるはずと期待していただけに、ちょっと肩すかしをくらった感じです。
あと気になったのはテレサの声でしょうか。別に演技がヘタということはないのですが、テレサの声に合っているようには思えませんでした。「いよいよ来たな、古代」、「えぇ真田さん」というセリフの後に現れる神秘的なテレサ、という形で旧作は描かれていましたが、どうもその感慨も神秘的な雰囲気もなく、普通の人との会話のようで……それでいてここでもオカルト……。
第三章を経て、ようやくヤマトの激闘が始まるという期待をしていた第四章。個人的には説得力のないエセ科学とオカルトの連続が右から左に流れていった、そんなイメージでした。第五章はデスラーの話と、地球艦隊と白色彗星の激突が描かれるらしいですが、『宇宙戦艦ヤマト2199』の七色星団海戦くらいの濃密さで見せてほしいところです。
『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第四章「天命篇」は、3週間限定劇場上映中です。
©西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2202 製作委員会
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