Vol.241 『スター・ウォーズ 日本語版』『電子的迷宮 THX-1138/4EB』
観賞映画振り返りコラムの76回目は1982年に観た『スター・ウォーズ 日本語版』と『THX-1138/4EB』。銀座文化1(現在のシネスイッチ銀座)で鑑賞。
『スター・ウォーズ 日本語版』は現在エピソードIVとされている、シリーズ1作目の日本語版です。『スター・ウォーズ』自体のレビューはVol.40ですでに書いてますので、今回は日本語版について書きたいと思います。
いまでこそ、公開時に日本語吹替版も用意されているのが当たり前のようになっていますが、この頃の映画上映は原語・字幕が基本で、吹替はテレビ放送時に作るという感じでした。もちろんアニメなど、子どもが観る映画は映画館でも吹き替えられていましたが、実写は原語でしたね。
しかし、『スター・ウォーズ』は子どもにも楽しんでもらいたいというジョージ・ルーカスの意向と、アメリカでの外国語映画の上映は吹替が基本であったということもあり、この日本語版が作られることになりました。
その製作にあたっては、ルーカスが直々にオーディションを行い、出演者の声質に似ている人が選ばれました。いまの洋画の吹替版のように、人気のある役者やアイドルを使って話題性を高めようというようなものではなく、あくまで映画の雰囲気を壊さない、出演者に似た声の持ち主という選定条件だったわけです。
そこで選ばれたのが……ルーク役に奥田瑛二さん、ハン・ソロ役に森本レオさん、レイア役に森田理恵さんという顔ぶれでした。観た感想としては、なんとも言えませんでしたねぇ。別に声優としてヘタだとは思わなかったですが、すでに原語で観ていて、そのイメージで記憶しているところに、日本語がかぶさった違和感。
さらに言うと、出演者が演じている上に、別の役者が別の演技を乗せることの違和感。アニメなどのように、声を加えることでキャラクターが完成するのではなく、すでに完成しているキャラクターに別の演技が乗っかる。これは受け入れがたかったというのが本音です。
まあ、その後、テレビ初放映時の吹替はもっと深刻な危機的状況でしたが、ルーカスが選んで監修しててもこうなってしまうのかぁと思いました。この日本語版を観て、テレビで観るときは仕方ないにしても、映画館で観るときには原語で観ようと決めたのでした。
ちなみにこの作品は配給が松竹富士でした。過去の『スター・ウォーズ』シリーズの中で唯一、東宝系映画館以外で上映された作品になります。
『スター・ウォーズ 日本語版』の上映時、『電子的迷宮 THX-1138/4EB』という短編が併映されました。どちらかというと、こちらを目当てに観に行ったといっても過言ではありません。
『電子的迷宮 THX-1138/4EB』は、ジョージ・ルーカスが南カリフォルニア大学在学中に製作した映画で、番号によって管理された社会から脱出を図る男を描いた作品です。ルーカスの原点とも言うべき作品ということもあって、一度観ておきたいと思っていました。
作品としてはかなり独特な映像表現が取られており、未来の管理社会というイメージがよく伝わる映像になっています。全体的にモノクロ調、あるいはブルーグレーの映像で、とにかく逃げる男を執拗に追いかけるという、かなりシュールな作品。
本作はその後、フランシス・F・コッポラが製作総指揮に入り、ロバート・デュバルやドナルド・プレゼンスが出演する『THX-1138』という映画として作り直されました。ルーカスのデビュー作になります。日本では劇場公開されず、私も夜中にテレビ放映されたときに観た感じですが、こちらは逃げる意味がきちんと明確にされている分、映画としてわかりやすくはなってましたね。
それに比べて『電子的迷宮 THX-1138/4EB』は難解だし、尺が短い分、説明もないし、観る者を選ぶ映画という印象でした。
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