牙狼前半一挙見の場でもうしわけないが、実は後半が見どころ(雨宮監督)
オープニング・エンディングも変わり、いよいよ後半に突入したTVシリーズ『牙狼<GARO>-GOLD STORM-翔』。
その前半12話のオールナイト上映会が新宿バルト9で開催され、生みの親である雨宮慶太監督と、栗山航さん、南里美希さん、井上正大さん、松野井雅さんの4人のキャストが登壇し、前半の見どころ・撮影裏話などが披露されました。
登壇者のトークを聞いてから見直すと、本作の見方が変わる逸話なども飛び出し、ほぼ満席の来場者は上映前から熱く盛り上がっていました。
日時:7月19日23:30~
場所:新宿バルト9 スクリーン6
写真撮影には厳しい、ムーディな照明の中行われたトークイベント。他の方や来場者から、お酒が入っているのでは?と疑われるテンションの栗山さんを中心に、『牙狼<GARO>-GOLD STORM-翔』前半の話題で盛り上がりました。
●今日、一挙に観たら、次の一挙見まで冬眠してください
まず前半の見どころについて尋ねられた雨宮監督。これからオールナイトで前半を観るみなさんにはもうしわけないと謝りながら「見どころは実は後半なんです」と断言しました。
今回の牙狼は、自分で制作していて「こんなにおもしろい作品ができていいのか?というくらい自信がある」とその完成度への自信を伺わせる雨宮監督は、「後半を作りたいがための前半の描き方であり、流牙と莉杏、ジンガとアミリ、そのキャラクターの関係性などを丁寧に描けた」と満足顔。
そして、「前半を一挙に観た後、最終回まで撮りためておいて観るのがいちばん幸せ。次の一挙見まで待って観ると楽しめる。後半はそういう勢いで作っている」と、後半への期待を持たせました。
●栗山さんと井上さんのアクションが速すぎて、編集で遅くした!?
前半の中で大きな盛り上がりとなったのは、栗山さん・流牙VS井上さん・ジンガが直接対決をした第7話と第12話。「牙狼の撮影がたいへんだというのは噂で聞いてたんですけど、死ぬと思いましたね」と井上さんが語った第7話は、流牙とジンガがイントレ(鉄製パイプで作った足場)の上で直接対決をしたエピソード。
足下がぐらぐらするイントレの高い部分で「こんなところでアクションができるのか?」と思ったという井上さんは、栗山さんと一緒にそのアクションシーンを収録。その撮影は命綱なしで行われたとのこと。下を見たらセーフティのためにマットは引いてあったが、「あのマットの位置に落ちないと助からないぞ」と感じ、「クランクアップまでに死ぬんじゃないかと思ってやっていた」と激しいアクションシーンの裏側を紹介しました。
雨宮監督も「危ないなぁと思っていた」と語り、南里さんも「これはスタントマンが演じるシーンだと思った」というそのシーンでは、栗山さんがアクション監督に半ギレで詰め寄ったというエピソードも披露され、「ほんとにがんばったよね」と雨宮監督からお褒めの言葉も飛び出します。
同じく第7話では、南里さん・莉杏VS松野井さん・アミリの女性対決も描かれましたが、「普通、美希ちゃんに「ブス!」って言えないですよ」と語る松野井さんに対し、南里さんから「気持ちが足りない、ほんとにそう思っていないように聞こえる、もっと強く言ってほしかった」とダメ出しが出たというエピソードが語られました。
また、栗山さんが前半でいちばんきつかったアクション回と語った第12話では、流牙とジンガが剣と鞘を使った駆け引きを行います。「見た目地味ですがめちゃくちゃ高度だった」と栗山さんが語ったそのシーンでは、アクション監督から練習しなければアクション部分を全部削ると言われ、二人でかなりの練習をしたという話。
テレビで観た方にはわかると思いますが、かなりのスピードでやり取りされたそのアクションでは「鞘とってやるぞ、抜かせねえよみたいな感じの芝居がすごく難しかった」と井上さんが語るように、ただアクションすればいいだけではない点が高度で、「強い人同士が戦っている姿を見せるのは、ちゃんと技術を見せないといけないので難しい。あのシーンはそういう表現になっていた」と雨宮監督からの解説がありました。
また、映像編集ではスピードを操作してやり取りを速く見せるどころか、むしろ遅くしていたようだと井上さんが語ると、「どんだけ速かったの!」と松野井さんは驚きの表情。
さらに、強い役のために高度なアクションが求められるジンガの役作りについて井上さんは「めちゃくちゃたいへんなアクションなのに、涼しい顔してやっていないといけないのがたいへん」と語りながら、「ほんとはゼーゼーハーハーしてるけど、必死に顔作ってます」とジンガの演技について自己解説しました。
●井上さん「俺をコケにしてる?」
前作でも好評だった莉杏の変装について話がおよぶと、「衣装合わせのときに南里がすごく恥ずかしそうだった。無理ですって言ってたのに、その日、撮影現場にいけなかったので心配してた」と雨宮監督。しかし後で現場スタッフに聞いたところ「すごくうれしそうにいっぱい写メ撮ってましたよ」と報告されたとのこと。南里さんは「実際に着てみたら楽しくなっちゃった」とそのときの様子を語ります。
莉杏の変装について栗山さんは「OL姿がイチオシでカメラワークがよかった」、井上さんは「釣り人がよかった。術も釣りだったし」とそれぞれのお気に入りを挙げます。松野井さんは「女子高生の後ろ姿」を挙げ、「足からのパンが最高だった」と、やはりカメラワークを褒めていました。
しかし「うちのアミリのほうがいいから」と莉杏への対抗意識を燃やす井上さん。栗山さんからアミリのいいところを尋ねられると「アミリは常に右足を出してる。今日は両足出してるけど」と深夜トークらしい回答が。
その井上さんに松野井さんは「頭皮が無事でよかったね」と言葉をかけます。井上さんは、撮影当初から髪の脱色によるダメージを気にしていたわけですが、撮影も終わり色を戻したようです。そして「黒にしたんですけど、だんだん黒から戻る」という髪の色について、南里さんが「会うたびに何色かわからないよね。前から言いたかったんだけどさすがに言えなかった……今日は苔色? ほんとに苔にしか見えなかった」と言うと、「俺をコケにしてる?」とうまい切り返しをする井上さんでした。
●井上さん「あんな経験をするのは、日本人で僕だけ」
『牙狼<GARO>-GOLD STORM-翔』では、毎回様々な分野からの豪華なゲストも魅力の一つ。南里さんが印象的だったと語ったのは前田健さん。控え室でずっと雑学を教えられていて強烈だったとのこと。
そして栗山さんから未唯mieさんについての話題が振られます。そのシーンを観たときかなり驚いたという、首を絞めるシーンについて問われた井上さん。松野井さんも「私も未唯mieさんの首締める人いないよと思った」というそのシーンはアドリブではなく、きちんと台本にある演出でやったと話しました。しかし、「テストのときに軽めにやったら、監督からもっとぎゅっとやってください」と言われ、しっかりと締めたことを暴露。「未唯mieさんの首を絞めるなんて経験をするのは僕だけなんじゃないか」と、そのシーンの感想を述べました。
その井上さんからは、直接会えなかったけどルー大柴さんがおもしろかったという意見が出ます。ルーさんに「マジにアングリーだぜ」って言わせたのがおもしろかったというと、「あれは現場で生まれた」と栗山さんが裏話を披露。台本にはそのセリフは最初はなかったと語ると雨宮監督が「あの話はマニアっぽくやろうとして台本もそうなっていたんだけど、後半にそういう感じがあってもいいかなということで足した」というエピソードが語られました。しかし栗山さんはルーさんにそう言われて笑いをこらえるのに必死だったそうです。
●なぜジンガは左手をポケットに入れているのか?
トークイベントはまだまだ続き、それぞれのキャラクターについての小ネタが語られます。流牙が悪者になっていると栗山さんが語ったのは第1話について。財布をスリ取ったシーンについて、流牙がスリが財布を盗むところを見て、それを奪い返して助けるシーンなのに編集でただ財布取って投げてる悪者になったと指摘。
このシーンについて雨宮監督は「やってみたらテンポが悪くなってしまってコントみたいになったので1話にはどうかなと思ってあのような編集にした」と経緯を説明しました。
続いて井上さんはジンガのポーズについて解説。ジンガはずっと左手をポケットに入れているのですが、その理由は……「なんで左手をポケットに入れてるかというと、右のポケットが縫われてて手が入らないから、じゃあこっちでいいかと左手をポケットに入れるようにした」というまさかの理由。これには雨宮監督も大爆笑していました。
南里さんは第9話でケガをしたことを話します。栗山さんが「一緒に走ってたら後ろでごそごそって音がして、振り返ったら莉杏がばーと転んでいた」と、その撮影時を振り返ると、「あんな砂利の坂道を栗ちゃんに合わせて走るというのが無理難題」とそのときの状況を語りました。
撮影が進むに従ってキャラが変わってきたというアミリについて演じている松野井さんは「最初しゃべらない人で、ただ妖艶な敵キャラなのかなと思っていた」と撮影開始時を振り返りました。
後半になるにつれてセリフが増え、だんだん人間味が増えていっているアミリについて「松野井さんを見てキャラクターが変わっていったと聞いている」と井上さんが言うと、「脚本家の田口さんとTwitterでからんでいて、私が普段ヤキモチ焼きという話しを田口さんにしたら、アミリがだんだんヤキモチキャラになっていった」という裏話を松野井さんが披露。未唯mieさんの回では演じているうちに本当に嫉妬したと、アミリになりきっていたそうです。
また、松野井さんがアクションが苦手なことが井上さんから暴露され、前転ができないということが明らかに。実は松野井さんは三半規管に支障が……「三半規管が鈍感なのかと思って三半規管専門の病院まで行った」ことが告白されました。病院では注射で三半規管に水を入れられて試されたとのことですが、普通の人は気持ちが悪いとなるところ、ぐるぐると目が回ったようになって4時間も病院で動けなくなったとのこと。医者曰く「あなたは三半規管が敏感すぎるので、この仕事辞めるしかありません」と言われたと告白。「しかしそれを感じさせない第7話のアクションだった」と井上さんからパートナーらしいフォローが入りました。
●いよいよ気になる後半について
「今週の第15話は作戦会議の話なので、アクションがありません」と語る雨宮監督から後半について語られます。
「牙狼というのはこうなってこうなってこういうふうになるという、いままでの牙狼について疑った形の構造になる作品を作りたかった」という後半は、これまでの牙狼とは違う構成になるとのこと。そして「来週からは最終回まで一気にいきます。こういう後半戦はいままでなかったので、ちょっと楽しみにしてください」と怒濤の展開になることが明らかに。しかし「と言いつつ、最終回はまだできてない」と現在スタッフ一丸となって仕上げをしているとのことです。
この後、登壇者のみなさんから来場者へお礼が述べられ、トークイベントは終了し、第1話から第12話の一挙上映会となりました。
●おまけ
『牙狼<GARO>-GOLD STORM-翔』Blu-ray・DVDコンプリートボックスに収録されている特典映像が初お披露目。キャスト陣に衝撃の走った「栗山航がGAROになるまで」が上映されました。栗山さんが「久しぶりにまじめに語った」というこの映像はぜひディスクを購入してご覧ください。
TVシリーズ『牙狼<GARO>-GOLD STORM-翔』公式サイト:http://garo-project.jp/GOLDSTORM_TV/
©2015 雨宮慶太/東北新社
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