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Vol.200 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』

TOHOシネマズ錦糸町にて『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』観賞。TVアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の続編となる完全新作アニメ。
この手の映画について語るのは非常に難しい。その魅力となる部分を書こうとすると、どうしても核心に触れるというか、内容に踏み込まないと書きようがなく、それは当然のことながらネタバレになり、本サイトのコンセプトから外れることになる。かといって、ネタバレにならないことを書くと何も伝えられない……。さて、どうしたものかと。

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まずこの作品を観るための前提条件について触れておきますかね。それは、TVシリーズを観ていること。この映画だけ観ても、話の流れはわかっても、前知識がないとわからないことが多々あり、ついていけません。逆にいうと、続編などでありがちな、前作を見ていないとわからないタイプの、いわゆる、その作品だけでは成り立たない作品。前作を見ていたらさらに楽しめるという作品はいいのですが、単体で1本の映画として成り立たないのはいけません。1本分の映画代を取るんですから、それだけで楽しめないのはその部分で評価が落ちます。
内容としては、TVシリーズのその後の話でありながら、違う時間軸での並行世界の物語という描き方と言えばいいでしょうか。この手法は新劇場版エヴァと同じ感じですかね。雰囲気としては『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』だと思ってもらえれば間違いないでしょう。作り手の世界観を受け入れられるかどうかで評価が変わる作品だと思います。

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また、その手の作品は、細かい部分にいろいろ仕込まれていて、見返すたびに新しい発見があるように作られていることが多く、この作品もそういう作り方になっています。初見と2度目以降では、違う視点で楽しめるでしょうし、初見で気づかなかった伏線などに気づいたりすると思います。
その上でいろいろな解釈ができるように作られていたりするので、細かい部分の解釈などを議論したり、講釈をたれたりすることが好きな人にはうってつけの作品ですね。そういう作品に与えられがちな言い方として“深い”というような言い方をされることがありますが、決して深いわけではなく、そういったことを踏まえてシナリオが構成されているというほうが正解です。
もちろん、それを計算しながら作られるシナリオというのはかなり難しいので、そうしたプロットを組み立てられること自体はすごいだと思いますし、シナリオライターの手腕だと思います。

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ここまで、TVシリーズを組み立て直した「始まりの物語」と「永遠の物語」が劇場版として公開され、今回が「叛逆の物語」。そのタイトルと、公開までに公開されたビジュアルで内容はだいたい想像がつきましたし、ほぼ思っていた通りの話だったので、個人的にはもう少しサプライズが欲しかったなという気はします。
これで完結するとは思えませんが、次に考えられる話はどう考えてもうつ展開全開になりそうなので、この先は遠慮したい気がしています。TVシリーズでうまくまとまっていたと思うので、そこまでにしといてもよかったのではないかと、この作品を観て感じました。
作品としては、TVシリーズそのものや、その世界観が好きだという方にはオススメします。

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『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』は全国ロードショー中です。
©Magica Quartet/Aniplex・Madoka Movie Project Rebellion
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