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『幸福の黄色いハンカチ』『イエロー・ハンカチーフ』ゆうばり国際ファンタスティック映画祭交流イベント&山田洋次監督トークショー

山田洋次監督『幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター』(4月10日より)と、アメリカでリメイクされた、ウダヤン・プラサッド監督『イエロー・ハンカチーフ』(6月26日より)のロードショー公開に先駆け、2月28日にゆうばり国際ファンタスティック映画祭 2010にて、両作品のプレミア上映が行われました。
映画祭が選んだ今年のテーマは、『幸福の黄色いハンカチ』の台詞から採った「行こうや、夕張」。
映画祭期間中、『幸福の黄色いハンカチ』の関連イベントが行われ、山田洋次監督が下記に参加いたしました。


●幸福の黄色いハンカチ映画絵看板除幕式・交流館見学 2月27日
映画のラストシーン撮影に使用され、今でも夕張を代表する観光拠点になっている『幸福の黄色いハンカチ』想い出広場に、長年、広場の管理人を務めてこられた濱松フミさんのお宅が交流館(広場敷地内)としてオープンすることになりました。また、広場には、札幌(三浦工芸)の絵師が作成した絵看板が飾られ、山田監督、濱松フミさん、「濱松さんの家保存会」の佐藤学さんが除幕式を行いました。
山田監督コメント:
夕張に来たのが、3年振りなんだけど、一言で言えないくらい懐かしい。みなさんの力で「幸福の黄色いハンカチ想い出広場」を存続してくれてほんとによかった。いつまでもこの広場が、町の象徴になるといいです。
そして今回『幸福の黄色いハンカチ』がデジタルリマスターされ、封切り当時と同じくらい本当にきれいになりました。また、今回アメリカで作られた、『イエロー・ハンカチーフ』も良くできた作品なので、こちらもどうぞよろしく。
幸福の黄色いハンカチ 想い出広場とは・・・
・1990年に夕張市により「幸福の黄色いハンカチ」のラストシーン撮影に使用された建物の保存と観光振興を目的に開設される。その後、年間5~6万人を集め夕張を代表する観光拠点となる。
・1992年に地元の若菜商店会がまちおこし・チャリティー目的で作成した、監督・出演者のサイン入り「黄色いハンカチ」が年間1万枚以上を販売するヒット商品になった。
・2006年の夕張市破綻を機に、市所有の観光施設の一括指定管理を受けた加森観光の現地子会社・夕張リゾートによる管理に移行。
・現在、映画の写真パネルや、小道具の展示を行っている「幸福を希(ねがう)やかた」(木造の炭鉱住宅長屋)を中心に、物置小屋、黄色いハンカチがたなびく柱などがある。営業期間は4月25日~11月3日。
●山田洋次監督を囲む会 2月27日
山田洋次監督を愛する市民による企画。監督を囲んで車座となった会場では、和気あいあいあとした雰囲気の中イベントが行われ、山田監督は、『幸福の黄色いハンカチ』のロケ地夕張での撮影エピソードや、映画への想いなどを語った。
山田監督コメント
『幸福の黄色いハンカチ』への想い
“”黄色い”黄色いハンカチ”は希望です。少しの希望があれば、それを励みにしていける。なんとかうまくいくように考えていけば、良くなっていけるし、それは夕張だけでなく、世界中でも同じことが言える。
戦争でたくさんの人が死んだのに、未だに戦争は続いている。そんなことだと、希望を失ってしまいそうだけど、みんなで遠くの山の光を見つめるように、希望を持っていくことが重要。それが映画に託した想いでもあります。
山田監督の思う幸せとは?
「幸せって何かよくわからないよなー」って笑って話していることが幸せなんじゃないかな(笑)
幸せとは、「生きてるって素晴らしいな」と瞬間的に感じること。楽しいことばかりじゃないけど、でもふと生きててよかったって感じることが幸せです。たとえば寅さんなんて、自分が助けてあげた人に「あなたに会えてよかった」って言われるだけで幸せなんです。またそれを見たお客さんが、自分の持っているやさしい気持ちに気づいて、いい気分になる。私がつくる映画の意味はそこにあるんです。そういう映画を作り続けていきたい。
●『幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター』ワールドプレミア上映にて
日時:2月28日 10:00AM ゆうばり国際ファンタスティック映画祭
山田監督コメント:
デジタルリマスターによってきれいに生まれ変わりました。私が想像できないほど、みなさんは懐かしさを感じてもらえると思います。こうしてゆうばりで上映できて、光栄です。
撮影エピソード
ラストでハンカチがはためくシーンは、真っ青な空と風が必要だったので、撮影するのに1週間かかりました。待ってる時間は、健さん、倍賞さんたちと映画の話をしてすごく良い時間だった。鉄矢君はまだ若くて、僕によく叱られてたね(笑)。
撮影中に、健さんと一緒に炭坑に入りました。下着までぐっしょりになるほど中が暑くて、シャツを脱いだ時に、健さんと「生き返るねー」って話していたのを思い出します。
●『イエロー・ハンカチーフ』ジャパンプレミア上映にて
日時:2月28日(日) 1:00PM ゆうばり国際ファンタスティック映画祭
山田監督コメント:
アメリカでリメイクされると聞いたときどう思われましたか?
『幸福の黄色いハンカチ』のオリジナルは、アメリカのフォークソング「黄色いリボン」が元なんです。その歌詞に触発されて私は『幸福の黄色いハンカチ』を作りました。アメリカの広い平野で、樫の木いっぱいに結ばれたリボンをイメージて。
アーサー・コーンからリメイクを作りたいとオファーされたとき、アメリカ風にアレンジしても構わないと返事しました。アメリカでつくるなら自分のものを上回るものを作ってほしいと期待していたので、ハンカチじゃなくて、オリジナルのリボンでもいいんじゃないかとも思いました。しかし、完成した作品をみて、とっても真面目につくっていて、製作態度に関心しました。リスペクトしてくれているのが凄くよくわかってうれしかった。
『幸福の黄色いハンカチ』封切り当時に作られた、ある種ネタばれ的なあの有名なキーアート(黄色いハンカチがなびいている)には、ある監督の想いがあるそうですね
実は一番問題になった点でした。当時の宣伝部は、結末を見せたくないと言っていたのですが、私はそれが意外でした。『幸福の黄色いハンカチ』は、結末がわかっているから見ない!、そんな映画ではないんです。「黄色いハンカチをみせてなにがいけないんですか。そんな安っぽいこと言わないでくれ」と言ってね(笑)。当時はずいぶん議論になりましたよ。私は黄色いリボンのイメージで作りたくて、その気持ちを観客にも知ってほしかった。寅さんだって、みんな結末はわかってみてるでしょ(笑)。
イエロー・ハンカチーフを見るお客さんにひとこと
今日、イエロー・ハンカチーフを見にきてくれてありがとう。監督、アーサー・コーンに代わってお礼申し上げます。イエロー・ハンカチーフのスタッフもキャストみんな”黄色いハンカチ”にオマージュを捧げてくれて、ほんとにうれしいです。
配給:松竹
『イエロー・ハンカチーフ』
6月26日より東劇他ロードショー
『幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター』
4月10日より東劇にてロードショー!他全国順次
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