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『ジュラシック・ワールド』を2倍楽しむシリーズ作品へのオマージュ

『アバター』、『タイタニック』に次ぐ全世界歴代興収第3位の記録を始め、次々と記録を塗り替え続けている『ジュラシック・ワールド』。8月5日に公開を迎えたここ日本でも、観客動員530万人以上、興行収入は80億円を超える記録的な大ヒットとなっています。

ジュラシック・ワールド

「『ジュラシック・パーク』で叶わなかった夢が遂に実現した」と語るスティーヴン・スピルバーグ製作総指揮の元、「シリーズの魅了を新たな世代に伝えたい」と語る新進気鋭のコリン・トレボロウ監督がメガホンをとり完成した本作。

2人のクリエイターは、『ジュラシック・パーク』のスピリットを最新作に引き継ぎ、オマージュの数々を詰め込みました。今回は、これを知ればさらに『ジュラシック・ワールド』を楽しめる!というオマージュの数々を、恐竜研究家・恐竜くんの解説と共に公開します!

恐竜くん:カナダ・アルバータ大学で古生物学を中心にサイエンスを学び、卒業後、トークショーの開催、恐竜展の企画・監修、執筆やイラスト制作等、幅広く活動中。
http://boropin.blog.shinobi.jp/

●『ジュラシック・ワールド』における『ジュラシック・パーク』シリーズへのオマージュの数々
・冒頭:地響きを立てて現れる小鳥
⇒1作目ではグラント博士が「鳥は恐竜から進化した」と主張するシーンがあり、ラストシーンも、島から脱出する際のヘリコプターから鳥を見つめるシーンで幕を閉じます。「1作目の正統な続編」として位置づけられた本作が「鳥」の登場とともに幕を開けるのは、必然かもしれません。なお、鳥が恐竜であるというのは映画だけの話でなく、科学的に立証された定説でもあります。

・港にたなびく「Welcome to Isla Nublar」ののぼり
⇒今回の映画の舞台イスラ・ヌブラル島(サイトA)は1作目と同じ島。2・3作目の舞台は、恐竜繁殖・研究用の別島イスラ・ソルナ島(サイトB)でした。

・「JURASSIC WORLD」のゲート
⇒これは本編でも言及されていますが、木製で両サイドに3本ずつ松明をともしたデザインは、1作目のジュラシック・パークのゲートのイメージそのままです。

・パーク中央に位置するメイン体験施設「イノベーションセンター」
⇒建物内の「ハモンド・クリエーション・ラボ」の前には、ジュラシック・パーク創設者ジョン·ハモンドの彫像があります。

⇒恐竜の化石発掘体験コーナーで砂をハケで掃き出すシーンは、1作目前半の恐竜発掘現場でのシーンとそっくり!

⇒施設内のモニター画面上でDNAについて解説するキャラクターは1作目と同じ「Mr. DNA」

・映画の中での時間の流れ(二十数年)が現実の世界と同じ:『ジュラシック・パーク』1993年→『ジュラシック・ワールド』2015年
⇒ストーリー内でクレアが「20年前は誰もが衝撃を受けた恐竜も、今では当たり前の存在になってしまい、誰も驚かない」と語るくだりは、「20年前のジュラシック・パーク公開時は誰もが度肝を抜かれたCGも、今やごくありふれたものになってしまった」という現実世界とシンクロします。もはや恐竜が当たり前になってしまった世界で何か新しいことはできないか、どうやったら人を驚かせられるか、客を満足させられるか…と苦心する映画内のパーク経営陣の悩みは、そのまま、映画『ジュラシック・ワールド』制作者たちの切実な悩みを投影したものかもしれません。

・園内のステーキレストランの名前は「Winston’s」
⇒1作目の『ジュラシック・パーク』のためにティラノサウルスやラプトル等、アニマトロニクス恐竜のデザインおよびプロップ制作をしたStan Winston Studioに由来すると思われます。

・パークのオペレーター「ロウリー・クルーザー」
⇒プレミア付きのTシャツをわざわざネットオークションで入手してくるなど、旧ジュラシック・パークへの強い憧れを見せるロウリー。パークにおける役職でいえば、1作目の“悪役”デニス・ネドリーにあたるポジションです。両者は、性格や作中の役どころは大きく異なるものの、机の上が散らかっていたり、飲みかけのドリンクが放置してあったりするところや、同僚に「少しは整理しろ」と注意される点まで全く同じ。

ジュラシック・ワールド

また、余りにゴチャゴチャなロウリーの机を見たクレアは「Chaotic(混沌としている)」と表現しますが、その机の上には、カオス(Chaos)理論を唱えるイアン・マルコム博士(1・2作目両方に登場)の著作「God Creates Dinosaurs」が! なお、クレアの助手ザラも、映画序盤のモノレールの中で同じ本を読んでいます。

・1作目に登場したジュラシック・パーク創設時の遺伝子学者ヘンリー・ウーが出世して再登場
⇒過去シリーズから再登場した唯一のキャラクター。演じたのも1作目と同じB・D・ウォンです。

・ジョン・ハモンドの精神を引き継ぐ後継者CEOサイモン・マスラニ
⇒ヘリコプター内の会話にて、ハモンドの象徴ともいえる印象的な口癖「Spare no expense (費用を惜しまない、金に糸目をつけない)」。をマスラニが引用します。1作目でハモンドは、このフレーズをなんと5回も口にしています!

・パークの運営を管理するクレア・ディアリングの服装
⇒当初クレアは、1作目のハモンドを彷彿とさせる全身真っ白な服装をしています。しかし中盤以降、インドミナスに襲われた恐竜の死を目の当たりにし、パークや甥達の危機を実感したクレアは、1作目のエリー・サトラー博士と同様に、お腹の辺りでトップスを結んで行動するようになります。

ジュラシック・ワールド

ジュラシック・ワールド

・利益のために恐竜の軍事利用を企む、セキュリティ部門リーダーのホスキンス
⇒本作における“悪役”ともいうべきホスキンスは、ラプトルの軍事利用に関してオーウェンと言い争っている時に、「(私たちが甦らせた)恐竜に生存権などない」と言い切るが、2作目の“悪役“であるハモンドの甥ピーター・ルドローも全く同じ主旨の発言をしています。

ジュラシック・ワールド

・恐竜は全てメス
⇒オーウェンが訓練しているヴェロキラプトルは4姉妹で、同僚のバリーも「(ラプトルが)女の子だ」と断言しているほか、インドミナスを筆頭に全ての恐竜が、劇中ずっと「Her(彼女)」と呼ばれています。これは、1作目でヘンリー・ウー博士が話していた「パークの恐竜は(繁殖抑制のために)全てメスである」という設定を、忠実に引き継いでいるためでしょう。

また、1作目では、冒頭で作業員がラプトルに襲われた時にマルドゥーンが連呼する「Shoot her!(彼女を撃て!)」という台詞の「Her」が、演出上特に強調されていたり、中盤のマルコム博士とサトラー博士のやり取りが「そして女が地球(大地)を支配する」という台詞で締めくくられたりします。恐竜がメスという設定は原作通りですが、人間側のキャラクターも、映画1~4作全てで、土壇場で肝の据わった活躍を見せるのは大抵「女性(女の子)」だったりします。「強いメス(女性)」というのはシリーズ通してのテーマの一つかもしれませんね。

・来園者の乗った車の脇を走り抜けるガリミムス
→1作目のガリミムス登場シーンと構図がそっくり!

・夫婦の危機はシリーズの伝統?
⇒ザックとグレイの両親は離婚調停中ですが、ジュラシックシリーズ全作品において、登場する子どもの両親は必ず離婚の危機、もしくは既に離婚した後だという共通点があります。

・インドミナスのデザインと擬態
⇒設定上、インドミナスに組み込まれたDNAの中には「カルノタウルス」という恐竜が含まれていますが、これは原作の「ロストワールド:ジュラシック・パーク」に登場した恐竜です。インドミナスの目の上の角は明らかにカルノタウルスの角であると思われるほか、原作のカルノタウルスの「体色を変えて風景に擬態する」という特性も引き継がれています。

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・ジャイロスフィアに襲いかかるインドミナス
⇒ジャイロスフィア乗車中に襲われたザックとグレイの兄弟。1作目にて車内でティラノサウルスに襲われたレックスとティムと同じ体勢で、強化ガラス越しにインドミナスの攻撃を受けます。

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・今回はちゃんと「歯のない」翼竜プテラノドン
⇒本来「歯が1本もない」はずのプテラノドンですが、3作目登場時には、沢山の歯がびっしりと生えていたことで問題視されました。本作では、ちゃんと「歯のないクチバシ」が再現されていました。また、本作のプテラノドンは、頭部のトサカがかなり短いタイプになっていますが、これは先述した「メスである」という設定があるためと思われます(実際の研究において、プテラノドンはオスよりメスの方がトサカが短いと考えられています)。

・サイドミラーに映る肉食恐竜
⇒1作目では、ロバート・マルドゥーンの運転するジープのサイドミラーに、後方から迫るティラノサウルスの姿が映し出されます。本作では、クレアが甥達を乗せて運転するトラックのサイドミラーに、後方から追いすがるヴェロキラプトルの姿が映り込みます。

「このオマージュ気付かなかった!」という方はぜひ改めて劇場でチェック!
また、この他のオマージュもぜひ探してみてください。

『ジュラシック・ワールド』
大ヒット上映中!

(C)Chuck Zlotnick / Universal Pictures and Amblin Entertainmentt
(C)ILM / Universal Pictures and Amblin Entertainment
(C)Universal Pictures and Amblin Entertainment

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