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梶浦由記のライブツアーVol.#12追加公演で30曲を披露、次回公演は3月

Yuki Kajiura LIVE Vol.#12の追加公演である「オーチャードSpecial」の初日が7月18日(土)、渋谷Bunkamura オーチャードホールにて開催されました。

Yuki Kajiura LIVE Vol.#12

このライブツアーは6月10日東京国際フォーラムを皮切りに、9日間11公演という日程で行われ、もっと曲を聴きたいというファンの要望に応え、ジャンルごとに深化させていったことにより、それぞれの公演が「日本語オンリー」、「日本語封印」、「サウンドトラック」と分類されていたのが特徴。総楽曲数は3公演で80曲以上というボリューム感たっぷりなライブツアーです。

日程によっては昼夜別公演も行われ、限界に挑戦するかのような大プロジェクトを見事走り抜き、追加公演へ辿り着きました。

今回はそれぞれのスタイルを1日分に集約したバラエティ豊かなプログラム。それぞれの公演で活躍したミュージシャンも一堂に会したほか、ストリングスも追加され、総計20名という大所帯を率いての情熱溢れるライブを行いました。

Yuki Kajiura LIVE Vol.#12照明が落ち、ステンドグラス調のライトが照らす中、アコーディオンが鳴り響く。つづいてパーカッションが加わり、ラテン調の音楽を力強く奏でてこの日のオープニングを飾ります。そして荘厳なSEとともにメンバーが登場するとオーディエンスは大きな拍手。

続いてイーリアン・パイプス(バグパイプの一種)のケルティックな音が会場を包み、「花子とアン」のサウンドトラックより「My Story」のメロディを響かせ、さらに今野均ストリングスによるカルテットと、パーカッション、ギター、フルートが加わり広大なイメージを展開します。

そしてここでWAKANA、YURIKO KAIDA(以下、YURIKO)、KEIKO、KAORIらYuki Kajiura LIVE、レギュラーボーカリストの4人の歌姫が洋建築をイメージしたセットの上に登場し「歴史秘話ヒストリア」のテーマをオリジナルの造語バージョンで高らかに歌い上げました。

最初のMCで梶浦は「曲数を減らしても減らしきれない。かなりの曲数をやります」とプログラムを説明すると会場からは拍手喝采。そして「余計なMCはカットしますので、歌とか演奏でその人の人間性を推し測ってください(笑)」と話します。

さらにゲストボーカルとして戸丸華江を紹介。戸丸はYURIKOとともに「世界里山紀行」のメインテーマで見事なボーカルワークをこなし、さらにフルートとストリングスが優雅なメロディを響かせ、ドラムとエレキギターは大地の力強さを表現。

ステージのライトは森林をイメージした緑から紫へと変わり、「lotus」のエスニックなパーカッションにつづいてボーカル隊はゆっくりとハーモニーを響かせ、そこに弦が加わって華やかに彩ったかと思うと静かに楽曲を締めくくる緩急ぶりです。明るいドラミングに印象的な弦のリフレインで始まるのは『Fate/ZERO』の「let the stars fall down」。YURIKOと戸丸のハーモニーも美しい。

Yuki Kajiura LIVE Vol.#12

再び梶浦はMCで「疲れ果ててスタジオに行ってもプレイヤーさんたちの素晴らしい演奏が喜びを与えてくれる」と語り、フロントメンバーとの結びつきを紹介します。続いては『魔法少女まどか☆マギカ』より「Decretum」を物悲しく、「Symposium magarum」では不穏さを迫力たっぷりにバンドサウンドで表現。

さらに梶浦のユニットSee-Sawからのセルフカバー曲「黄昏の海」をKEIKOを中心にカバー。和風のメロディと無国籍なサウンドの融合は現在からするとやや珍しい部類の楽曲です。「花守の丘」では静謐なピアノから入り、ワルツのサウンドにKAORIを中心としたコーラスワークが響き渡ります。

Yuki Kajiura LIVE Vol.#12「水の証」ではピアノとカルテットの伴奏にWAKANAがイノセントな声を聴かせ、「光の行方」は荘厳で美しいコーラスからアップテンポに転調し激しいドラミングが引っ張るという梶浦サウンドの真骨頂を披露。そこからYURIKOとKAORIの穏やかなボーカルで締めくくる姿は前半のクライマックスでさらに大きな拍手が湧きました。

ゲストボーカルのRemiによるイタリア語のピアノ曲「Rainbow~Main Theme~」は同映画のテーマ曲で、この日もっとも古い楽曲とのこと(1999年発表)。こうした貴重な楽曲を入れ込んでくるのもこの日のライブの特性です。

次の楽曲は『ソードアート・オンライン』BGM。これまで音源番号で呼ばれていた楽曲で、今回の追加公演に合わせて「moon and shadow」と名付けられた6/8拍子の楽曲。YURIKO・KAORI・Remiによる美しいコーラスにフルートやパーカッションが続き、ファンタジックな雰囲気を醸し出します。

人気の「everytime you kissed me」はKAORIがメインボーカルを担当し、WAKANA、YURIKO、KEIKO、がハモリを順次リレーしていく、彼女たちのボーカルワークを贅沢に味わえる楽曲。KEIKOの深い歌声にKAORIの声の重なりを堪能できる「I swear」は、後半には哭きのギターや教会音楽を感じさせる豊かなメロディの楽曲。ライブの醍醐味のひとつは歌手それぞれの持ち味が出ることだと梶浦は言う。この曲は音源とは異なる歌手が歌う楽曲のため、梶浦自身も毎回それを堪能しているとのこと。

Yuki Kajiura LIVE Vol.#12

続いてはふたたびイーリアン・パイプスが登場し、「花子とアン」の楽曲のコーナー。「MotherLand Nostalgia」はタイトルの通りノスタルジックにビブラートを効かせ、「曲がり角の先に」、「にぎやかな日々」、「今を生きる」ではフルートとバイオリンが爽やかなメロディを奏で、リズム豊かなサウンドとともに陽気な空気を漂わせます。MCでの「こんな曲も書けるんですよ?」の声には笑いが起きるほど。

「We’re Gonna Groove」はアコーディオンとアコースティックギターの協奏が耳を豊かにし、さらにドラムとパーカッションが抜群の集中力でスピード感を作るライブならではの緊張感と楽しさを感じさせます。「hit it and run」は怪しいエレキギターが響き、テンポアップしてからはドラマティックなストリングスが楽曲を引っ張り、パワフルなドラミング+パーカッションがスイング。さらにフルート、バイオリンにもそれぞれソロの見せ場があり、続いてギターとパーカッションがバトルする。それらを包むメロディの構成美とキレのサウンドに大喝采。

Yuki Kajiura LIVE Vol.#12「the beginning of the end」では伊東えりが登場し、フルートとストリングスをバックに神秘的なソプラノを響かせる。ドラマティックに演出するドラミングやシンバルのヒットも聴きどころだ。「My dear feather」では歌声の美しさはそのままに、ウェットなリズムとの融合を果たし世界観を作る一曲となりました。本編ラストは「a song of storm and fire」の名の通り嵐のような勢いの楽曲が展開されました。ストリングスの情熱的な音色に5人のボーカル、アグレッシブなドラムが渾然となり、スピード感はありつつもじっくりと聴かせる構成で伽藍の中にいるかのようなトリップ感を覚えるほどでした。

アンコールを求める大きな拍手に導かれて登場したメンバー。『ソードアート・オンライン』のメインテーマを分厚いストリングスサウンドと勇ましいサウンドで表現し、そこでさらに力強いドラミングと5人分のコーラスが壮大な世界観を演出します。

MCでは「アンコールに入ると文化祭の後夜祭3日目みたいにいろんなものが終わりに近づいて、寂しいったらありゃしない」と笑わせた後、来年3月に予定されている次回公演の告知をしてファンを喜ばせました。

Yuki Kajiura LIVE Vol.#12そしてここからはラストスパート。「red rose」では観客も総立ちとなり拍手でステージサイドを迎えます。伊東が艶やかに舞い、イーリアン・パイプスとアコーディオンが異国的なサウンドを響かせ、パーカッションがリズミカル打ち、それにバイオリンが綺羅びやかにメロディを重ねます。それぞれのソロの聴かせどころも十分に用意され、会場全体が音の海を楽しんでいるお祭り騒ぎの時間のようでした。

「Vanari stringas」はその勢いのままにさらにスピードを上げ、昂揚した面持ちでそれぞれ協奏して盛り上げます。そんなテンションをちょっと落ち着かせるような「in this winter 」のアコーディオン演奏から 「the image theme of Xenosaga II」へ。イーリアン・パイプスのゆったりとしたサウンドから入り、4人の厚いコーラスが熱を帯びパワフルに楽器が動き出し大きなうねりを巻き起こし、喝采を浴びました。

最後のMCで梶浦は「Yuki Kajiura LIVEは特別なことはないけど、素敵なプレイヤーさんに来ていただいて良い環境で私の曲を演奏するのがコンセプト。変わらないことを守りぬくことを大事にしたいなと思っています。またどこかでたったひとりのあなたとして遊びに来てくれたら嬉しいです」と語りました。

オーラスは「ring your song」。ステージに4人、段上には3人のゲストボーカルが登るという圧巻の体制の中、伊東のソプラノが美しく響きそれにベースが応える。7人のボーカルが声を重ね、穏やかなフルートとともに多幸感溢れる穏やかなこの楽曲でこの日の公演を締めくくり、最後に一列に並んだ20名は観衆から惜しみない拍手を浴び満足した面持ちでステージを後にしました。

Yuki Kajiura LIVE Vol.#12

・セットリスト
01 トラブルメーカー
02 overture~ My Story
03 Historia:opening theme
04 satoyama main theme
05 lotus
06 let the stars fall down
07 Decretum
08 Symposium magarum
09 黄昏の海
10 花守の丘
11 水の証
12 光の行方
13 Rainbow~Main Theme~
14 moon and shadow
15 everytime you kissed me
16 I swear
17 MotherLand Nostalgia
18 曲がり角の先に
19 にぎやかな日々
20 今を生きる
21 We’re Gonna Groove
22 hit it and run
23 the beginning of the end
24 My dear feather
25 a song of storm and fire

アンコール
01 overture ~ swordland
02 red rose
03 Vanari stringas
04 in this winter ~ the image theme of Xenosaga II
05 ring your song

・出演
梶浦由記
Vocal:KAORI、KEIKO、 WAKANA、YUIRKO KAIDA
Vocal:伊東えり、戸丸華江、Remi
Guitar:是永巧一
Drums:佐藤強一
Bass:高橋“Jr”知治
-今野均strings-
Violin:今野均 藤堂昌彦
Viola:生野正樹
Cello:西方正輝
Flute:赤木りえ
Accordion:佐藤芳明
Percussion:中島オバヲ
Uileann Pipes:中原直生
Manipurator:大平佳男