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Vol.201 『ラッシュ/プライドと友情』

完成披露試写にて『ラッシュ/プライドと友情』を観賞。TOHOシネマズ六本木。ロン・ハワード監督最新作である本作は、1976年にF1ワールドチャンピオンを競ったニキ・ラウダとジェームズ・ハントを描いた、実話に基づく作品。
F3からライバルとして勝負を繰り広げてきたラウダとハント。走るコンピューターの異名をとるラウダに対し、自由奔放なプレイボーイであるハント。タイプのまったく異なる2人の天才F1ドライバーが迎えた1976年のシーズンは、前半圧倒的な強さを見せたラウダがワールドチャンピオン最有力であったが、ドイツグランプリで大事故を起こしてしまう。ラウダ不在の中、ハントは残り1戦の段階で3ポイント差まで追い上げる。最終戦F1イン・ジャパン。ハントの前には、奇跡の復活を遂げたラウダの姿があった……。

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あらすじをこのように書くと、レース主体の映画のように思われるかも知れませんが、壮大なヒューマンドラマというキャッチがついていることでもわかるように、ラウダとハントの人間描写が素晴らしく、単なるスポーツライバル物語ではありません。物語の主軸は1976年シーズンとなりますが、それまでに2人がたどってきた人生、恋愛、さらに、2人を支えてきた人々も描かれ、人間ドラマとしてかなり深い内容になっています。
その中で、正反対とも言える性格の2人が、お互いを意識し、ライバル視しながらも、それぞれを認め合っている姿がとても清々しく、心地よい感動を与えてくれます。
6戦5勝と圧倒的な強さで迎えたドイツグランプリ。世界一危険なコースと言われるニュルブルクリンクは悪天候に見舞われ、ラウダは中止を提言するのですが、ハントをはじめとする他のレーサーたちの反対で決行され、結果、ラウダは再起不能とも言える負傷を負ってしまいます。
その後、奇跡の復活を遂げたラウダは、中止提言に反対したことに罪悪感を抱くハントに対し、こう言うのです。「サーキットへ戻る闘志を湧かせたのは君だ」と。もうこの一言でハントに対するラウダの気持ちがくみ取れます。そして最終決戦、富士スピードウェイ。スタート前のマシンの中からお互いをみるラウダとハントの視線。言葉はなくてもその心情が伝わってくる感動の名シーンでした。
以前「ニキ・ラウダ来日、F1日本グランプリの鈴鹿でハントについて語る!」という記事では、今年鈴鹿で記者会見を行ったラウダへのインタビューを掲載しましたが、その中でもハントについて「私たちはレーサーで、ライバルだったけれど、お互いをリスペクトしていました。」と語られていますが、この作品を観るとその言葉の重みがとてもよくわかります。
もちろん人間ドラマだけではなく、レースシーンも見応え十分です。サーキットにおける空気や振動は独特なものがあるので、さすがに映像だけではそこまでは再現できませんが、体に伝わってくるエンジン音、コースを駆け抜けるスピード感、何万もの観戦者の興奮は十分伝わってきます。まさに臨場感あふれる映像というべきでしょうか。
そのコースで一人の観客としてレースを観戦しているような錯覚すら覚える迫力。これは映画館の大スクリーンで観なければ味わえませんし、その価値がある作品です。来年の映画の中で、ぜひ観ておくべき1本と言っていいと思います。
『ラッシュ/プライドと友情』は、2014年2月7日からTOHOシネマズ 日劇ほかにて全国公開されます。

(C)2013 RUSH FILMS LIMITED/EGOLITOSSELL FILM AND ACTION IMAGE.ALL RIGHTS RESERVED.
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