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『言の葉の庭』公開記念 新海誠監督×秦基博 トークショー開催

新海監督「“雨”がテーマのこの曲を、秦さんの現代〈いま〉の歌声に包んで届けたい」
秦 基博「出会いに感謝しながら作品を楽しんで」
2013年5月29日(水)タワーレコード渋谷店8F「Space HACHIKAI」“『言の葉の庭』公開記念「新海誠展」”会場にて、本作の新海誠監督と、イメージソング「言ノ葉」とエンディングテーマ「Rain」を歌う秦 基博のスペシャルトークショーが開催された。

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美しく繊細なアニメーションで国内外から高い評価と支持を受ける新海監督と、数々のヒット曲を生んでいるシンガーソングライターの秦さんによるトークは、終始リラックスした雰囲気で展開した。
まず早々に「会場は新海誠展なのに秦さんのファンの女性の方々が多い、何ていうかこのアウェイ感(笑)。」と話す新海監督。そしてMCから東京がちょうどこの日に梅雨入りしたという報を聞いた秦さんは、雨の季節を舞台にした作品『言の葉の庭』で同じく雨をテーマにした楽曲「Rain」を歌うことから、「いや~、持ってますね~。」と返し、会場は序盤から笑いに包まれた。
そのエンディングテーマ「Rain」は、1988年に大江千里さんが発表した楽曲であり、それを今回秦さんがカバー。新海監督は「『言の葉の庭』は雨をテーマにした映画。元々大江さんの「Rain」はすごく好きな曲で、もし雨の作品を作ることがあれば使わせてもらいたいと思っていました。80年代の曲なので、現代の映画に合う、現代の歌声に包んで皆さんに届けたいと思い、秦さんにお願いしました。」と起用の経緯を説明。
それに対し秦さんは、「(大江さんの)オリジナルの良さがある中で、それとまた違った意味で自分らしさを出したいと考えました。例えばアコースティックギターをどう入れるか、アコギのエッジ感、鋭さをどう出すか、とか。そして何より、『言の葉の庭』という作品で流れるということが一番重要で、そこにどういうサウンド感が合うのかということを考えました。」と、カバーするにあたってのアプローチ方法を披露した。

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『言の葉の庭』のイメージソングとして書き上げた「言ノ葉」について、秦さんは「「Rain」と同じ主題だったり匂いはさせたいが、自分なりの主張というか、メインになるテーマが見つけられたら、と。映画を観てから曲を聴いたり、逆に曲を聴いて映画を観たり、いろんな入口がある中でどこからでも楽しんでもらえたらいいな、と考えて作りました。」と制作秘話を披露。
一方、新海監督は、「秦さんが「こういう感じで進めてます」と言って完成前の曲を聴かせてくれたんです。ほぼハミングで歌っていて、時折日本語らしきもの(笑)が入っていて、でもそれがまた心地いいんですね。どういう歌詞が付いてくるんだろう?と楽しみにしていて、そして完成版を聴いた時、歌詞が素直に入って。秦さんの創作の秘密の一端に触れた気がしました。言葉をちょっとずつ手繰り寄せるような。」と振り返り、それに対して秦さんは、「イメージは僕の中にいっぱいあって、その中でちょっとずつ形を作っていく、自分が求めているものを探していきます。ハミングの中にヒントが隠されている。だからハミングで歌っているものを聴かれるのは、なんか素っ裸を見られたみたいで(笑)。」と照れながら秘密を明かしてくれた。
後半、イベント来場者からの質問のコーナーでは作品以外の話題にも。その中で、「お互い会う前のイメージと実際対面した時の印象は?」という質問に対し、「新海監督は、監督の書く文章を読んでいて、芯がブレない人で、オーラのある威圧的なイメージがあったけど、実際は優しい雰囲気で緊張感をフワッと和らげてくれる」(秦さん)。
「会う前から持っていたイメージどおりの方でした。まだ僕の知らない秦さんがいるとは思いますが(笑)。全身で音楽を作っている、自分の声も含めて楽器のような、求道的でまっすぐな方向を見ている人。職人というか。」(新海監督)とそれぞれの印象を語った。

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そして話はエンディングテーマ「Rain」に戻る。この「Rain」は映画本編のために並行してロングバージョンが作られた。新海監督は、「この「Rain」はエンディングテーマと言っても単にエンドロールに流れる曲という形ではなく、映画のクライマックスに密接に絡む形で、一番グッと盛り上がるシーンに秦さんの歌がくる、という使い方をしています。」と話す。
秦さんは、「そのシーンでの主人公の気持ちと、そこでどう音楽が流れるべきかを監督がハッキリとイメージされていて、それを踏まえてアレンジャーの皆川真人さんと作っていきました。作りながら「この曲のシーンを観た人たちがこういう気持ちになってもらえたらいいな」とイメージしていたんですが、自分も完成した映画を観たときに1人の観客としてその気持ちになれたからすごく嬉しかった。」と話し、トークショーの来場者はその言葉で映画に期待を寄せた。
最後に、2人からメッセージが贈られ、トークショーはフィナーレを迎えた。
新海監督「『言の葉の庭』は、年齢のギャップのある男女の話であり、年齢差があるということは社会的立場にギャップがあるということ。2人は社会的な事情で純粋な気持ちだけでは動けない。しかし、僕たちの世界というのは社会的立場と純粋な気持ちの絡み合いで出来ていると思う。皆さんも自分を投影するところが必ずある作品だと思います。」
秦さん「『言の葉の庭』に関わらせていただいたことで、『言の葉の庭』という作品に出会い、新海監督に出会い、そして自分自身の「言ノ葉」という曲に出会えました。「言ノ葉」は“出会い”ということをテーマにした曲。皆さんそれぞれの“出会い”に感謝しながら、作品を楽しんでもらえればと思います」。

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(C)Makoto Shinkai/CoMix Wave Films
『言の葉の庭』
5月31日(金)新緑の季節 ロードショー
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