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Vol.80 『1941』

1941観賞映画振り返りコラムの30回目は1980年公開の『1941』。公開初日に丸ノ内ピカデリーで友人二人と観賞。
『ジョーズ』『未知との遭遇』と立て続けにヒットを飛ばしたスピルバーグが監督したコメディ映画。そのヒットにあやかろうとしたのか、サメの口の中に海に輝く1本の光、そこに突き出た潜望鏡にスピルバーグがつかまっているというティザーポスターで宣伝され、実際に観るまでどのような映画か分からなかったのを覚えています。


ストーリーとしては、真珠湾攻撃の直後のカリフォルニア沿岸に日本海軍の潜水艦が現れ、日本軍の攻撃におびえるアメリカ人がドタバタを繰り広げる……といった内容ですが、ナンセンスなギャグのオンパレードの爆笑映画です。
『ジョーズ』のパロディ、グランドキャニオンで迷子になり、給油のために一般道へ降りる戦闘機、通訳なしで日本語とドイツ語で会話をする潜水艦艦長とドイツ将校、日本人は竹馬に乗っていると思いこんでいる基地の司令官、人間よりも先に潜水艦を発見する腹話術の人形、高射砲の使い方を禁止事項として説明する軍曹、『ダンボ』を上映する映画館を守ることを優先する司令官……。
とはいえ、後に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を監督するロバート・ゼメキスと、『風とライオン』の監督として知られるジョン・ミリアス(製作総指揮も担当)が書いたシナリオをスピルバーグが撮っている映画。『未知との遭遇』に見られるような、あっちこっちで起こっているバラバラな話、登場人物が最終的に怒濤のラストシーンに向かって集約する形になっており、その構成力はさすがと言わざるを得ません。
出演者もまた豪華。サタデーナイトライブ出身のジョン・ベルーシとダン・エイクロイドを初め、三船敏郎さん、クリストファー・リー、ウォーレン・オーツ、ネッド・ビーティ、ナンシー・アレンといった顔ぶれが競演。潜水艦艦長役の三船さんとドイツ軍将校役のクリストファー・リーが潜水艦の中で会話をするシーンなんて想像だにしない映像でしたね。
これだけの俳優が出演していると映画自体が散漫になりそうな感じがしますが、そこをびしっとしめていちばん目立っていたのがジョン・ベルーシですね。型破りな戦闘機パイロットという役ですが、そのやることがめちゃくちゃ。まさにベルーシの真骨頂とも言える役ではないかと思います。
あとちょい役ですが、この後ベルーシとエイクロイドを主役にした『ブルースブラザース』や、マイケル・ジャクソンの『スリラー』のPVを監督したことでも知られるジョン・ランディスが、伝令役として出演しています。
この映画、日本ではそこそこのヒットとなりましたが、アメリカではあまり成績が芳しくなく、スピルバーグの映画としては評価があまり高くありません。私はそんな悪い作品ではないと思うんですけね。
前回書いた『地獄の黙示録』が徹底して戦争のリアリティとその狂気を描いたのに対し、この『1941』は戦争をパロディにし笑い飛ばすことで、戦争という行為の無意味さを訴えている、スピルバーグなりの反戦映画なのではないでしょうか。ただ、あまりにはちゃめちゃなのでそのメッセージが伝わらなかったというところではないかなぁと感じます。
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