坂本龍一、復帰第一作は山田洋次監督の『母と暮せば』
「山田監督、吉永小百合さん、この二人に何かを頼まれて断れる日本人がいるでしょうか。」(坂本龍一)
松竹配給にて12月12日(土)より公開となる、山田洋次監督の83作目となる最新作『母と暮せば』。
この度、本作にて音楽を坂本龍一さんが担当することが決定しました。
山田洋次監督とは今回が初タッグ。昨年より療養中だった坂本さんにとって、今作が復帰第一作となります。
今作の企画が立ち上がってすぐに、山田監督から坂本さんの名前が挙がり、映画音楽の仕事をオファーしたところ、『男はつらいよ』シリーズの大ファンだという坂本氏もすぐさま快諾し実現に至りました。
企画が立ち上がって間もない2014年4月、山田監督は吉永小百合さんとともに東京芸術劇場で行われた坂本さんのコンサートを訪れています。吉永さんはライフワークとしている原爆詩の朗読で坂本さんがピアノ伴奏を担当するなど、坂本氏とは親交があり、このコンサートで山田監督に坂本さんを紹介したことが今回の話のきっかけともなっており、吉永さんが二人をつなぐのに一役買った形となりました。
●坂本龍一さんコメント
『寅さん』映画は、歳をとるほどに味わい深く感じられます。最近などはタイトルバックの江戸川が見えるだけで、涙目になってしまいます。もう帰ってくることのない昭和の日本への郷愁でしょうか。小津安二郎や成瀬巳喜男の映画にも共通のものを感じます。
その山田洋次監督から、次回作の音楽を頼まれました。しかも吉永小百合さんが同席しています。この二人に何かを頼まれて断れる日本人がいるでしょうか。
そして内容は井上ひさしさんの『父と暮せば』へのオマージュとして呼応するように、長崎が舞台となっています。核のない世界を望んでいるぼくとしては、これはやるしかありません。
このような大作が、病気からの復帰後第一弾の仕事なのですから、ぼくは本当に幸せ者です。
●山田洋次監督コメント
『母と暮せば』の企画を発想したとき先ずぼくの念頭にあったのは、主役は吉永小百合、音楽は坂本龍一、このお二人しか考えられないということでした。最初に吉永さんの承諾を得てそのあと、彼女と二人でコンサート中の坂本龍一さんの楽屋に押しかけ口づてで企画を話しました。彼の口から快い承諾の返事を聞いたときは本当に嬉しかったものです。
坂本龍一さんと組んで仕事をするのは長年の夢でした。ぼくの頭の中にはすでに坂本龍一の美しい音楽が鳴り始めています。
●吉永小百合さんコメント
昨年の四月、山田監督とご一緒に坂本さんのコンサートに伺いました。
坂本さんが『母と暮せば』の音楽を創ってくださることになって、嬉しくて嬉しくて舞い上がっています。
『母と暮せば』
12月12日(土) 全国ロードショー
©2015「母と暮せば」製作委員会
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