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『バックコーラスの歌姫たち』アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞

ブルース・スプリングスティーン、スティーヴィー・ワンダー、ミック・ジャガー、スティング、ベット・ミドラー……。60-90年代の音楽シーンで伝説と言われたアーティストのバックシンガーを務めた女性たち、ダーレン・ラヴやメリー・クレイトンのように後にソロとして認められたシンガー、また映画『This Is It』でマイケル・ジャクソンとの「キャント・ストップ・ラヴィング・ユー」のパフォーマンスが印象的だった日系人シンガー ジュディス・ヒルなど、バックコーラス時代に名前をクレジットされることもなく陰で名レコーディングを支えてきた女性たちに初めてスポットを当てた、観るものの魂を揺さぶる珠玉の音楽ドキュメンタリー『バックコーラスの歌姫たち』が、第86回アカデミー賞ドキュメンタリー映画賞(長編)を受賞しました!

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本作は2013年12月14日Bunkamuraル・シネマほか全国でロードショーとなりました。
作品を通して描かれるのは、成功に酔いしれるような感動や、心が引き裂かれる思い。ソロを目指すためのステップとするもの、音楽業界に利用され夢を打ち砕かれたもの、自分を必要としてくれるミュージシャンと共に生きる道を選ぶもの、そして、生活のために歌い続けるもの。成功、誇り、夢、犠牲、そして葛藤……。
現在のポップミュージックを形作ることに貢献した陰の立役者に対する賛辞であるとともに、彼女たちの並々ならぬ波乱な人生を、当時を振り返る貴重な映像や大物ミュージシャンたちによる証言、そして至福の時をもたらしてくれる即興セッションなど、観るものの心を揺さぶる珠玉のドキュメンタリー。
60年代、黒人コーラス・グループ、ブロッサムズのメンバーとしてデビューしたダーレン・ラブは、伝説的プロデューサー、フィル・スペクターが生み出した数々のヒット曲のバックコーラスを務めた。しかし、彼女をあくまでバックシンガーとして利用しようとするフィル・スペクターとソロ・デビューを目指す彼女との間に深い軋轢が生まれ、彼女は失意のなかで音楽業界を離れて家政婦として働いていた時期もあった。そんな彼女が映画のために久し振りにブロッサムズのメンバーと再会し、アカペラで見事なハーモニーを聴かせる。
キャロル・キングやジョー・コッカー、レイナード・スキナードなどの名曲で声を聴くことができるメリー・クライトンが語る、ローリング・ストーンズ「ギミー・シェルター」のレコーディング秘話。70年代にイギリスへと渡ってロック・シーンに深く関わったクラウディア・リニアは、ミック・ジャガーやデヴィッド・ボウイとつるんでスウィンギング・ロンドンを楽しんだ日々を回想する。彼女達はそれぞれ目を浴びて念願のソロ・デビューを果たすが、ソロ・シンガーとしては成功を収めることはできなかった。
そんななかで、80年代にルーサー・ヴァンドロスのバックシンガーとしてデビューして、ソロ・デビュー作で高い評価を得たリサ・フィッシャーや、マイケル・ジャクソンの追悼式で歌ったことで一躍時の人になったジュディス・ヒルは、ソロ・シンガーとバックシンガー、二つの道をそれぞれの判断で選ぶことになる。さらに本作にはグロリア・ジョーンズ、タダ・ヴェガ、ウォーターズ・ファミリーなど数多くのバックシンガーたちの証言が加わることで、バックコーラスという視線から、60年代以降のポピュラー・ミュージックの歴史を俯瞰できるのも興味深いところだろう。

●スタッフ・キャスト
監督:モーガン・ネヴィル
製作:ジル・フリーセン、ケイトリン・ロジャース
出演:ダーレン・ラヴ、メリー・クレイトン、ジュディス・ヒル、リサ・フィッシャー、クラウディア・リニア、タタ・ヴェガ、ミック・ジャガー、ブルース・スプリングスティーン、スティング、スティーヴィー・ワンダー、ベット・ミドラー
2013年/米/英語/カラー/90分/ドルビーデジタル/原題:20 feet from stardom
配給:コムストック・グループ
配給協力:クロックワークス
『バックコーラスの歌姫たち』
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