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Vol.116 『未知との遭遇 特別編』

未知との遭遇 製作30周年アニバーサリー アルティメット・エディション観賞映画振り返りコラムの45回目は1980年に日比谷有楽座で観た『未知との遭遇 特別編』。左の画像はオリジナル版のデザインですが、特別編のキービジュアルを使ったBD・DVDは存在しないみたいですね。いまやファイナルカット版と合わせて3バージョンを1アイテムで観られる時代ですからねぇ。
オリジナル版は言わずと知れた名作で、「Vol.38 『未知との遭遇』」にも書きました。このオリジナル版がヒットしたため、映画会社としては続編を作りたかったのですがスピルバーグは乗り気ではなく、新カットの追加・再編集リニューアルバージョンの製作ということで折り合いをつけ、この特別編ができました。


新カットの追加はいろいろな箇所がありますが、本作の最大の見どころはなんといってもマザーシップの内部映像です。オリジナル版を観たとき、あのマザーシップの中はどうなっているのだろう?という興味がわかなかった人はいなかったと思います。映画会社もこの特別編を作る条件としてマザーシップの中を見せることを条件にしたと言われます。
私も当然のことながら、この特別編公開時にはどんな映像が観られるのかワクワクしながら観に行った記憶があります。ダグラス・トランブルらが作る、これまで誰も観たことがないUFO内部の映像。そのシーン自体はそれほど長いわけではないのに強烈な印象を受けました。
が、しかし、観終わってしばらくしたとき、あの映像は観るべきだったのだろうか?という気持ちになったのも事実です。オリジナル版を観た後、頭の中にいろいろな想像が浮かびましたが、いざそれが映像化されてしまうと、それ以外の選択肢はなくなってしまうわけです。
これは後に書くことになると思いますが『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の続編を観たときにも感じたことです。どうなったのだろう? どうなっていたんだろう?といった想像を膨らませることが楽しくて、それを余韻として残したまま終わらせるほうがいいこともあると。謎を謎のまま残すことで完結する作品。『未知との遭遇』はまさにそういう作品だった気が、いまとなってはします。
後に「ファイナルカット版」というバージョンができるわけですが、こちらではマザーシップの内部映像はなくなっていました。スピルバーグもあれは観せなくていいという考えだったんですかね。
作品としてはオリジナル版同様、とてもおもしろいですし、砂漠の中に現れたタンカーといった新しいシーンも見応え十分。しかし、オリジナル版の初見に比べればやはりインパクトに欠けるところもあり、という感じ。個人的には、ファイナルカット版までの3バージョンの中でいちばん下かも知れません。
→『未知との遭遇』の記事を探す
→スピルバーグの記事を探す


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