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『M3~ソノ黒キ鋼~』ED「ego-izm」la la larksインタビュー

元School Food Punishmentの内村友美を中心に、実力派ミュージシャンが集まって結成されたla la larks。ライブを中心にインディペンデントな活動を続けてきた彼らの1stシングル「ego-izm」がリリースされた。
アニメ『M3~ソノ黒キ鋼~』のエンディングテーマとして作られたこの曲は、彼らにとってどのような曲になったのか? 内村友美とギターの三井律郎が語った。

la la larks


Q:la la larksの結成は2012年。それ以前からみなさん顔なじみだったということですが?
三井:江口亮くん(Keybords)がSchool Food Punishmentをプロデュースしていて、僕は彼らの最後のツアーでギターを弾きました。それが何年頃だっけ?
内村:2011年くらいかな。
三井:その前にレコーディングにも参加したんですよね。江口くんとターキーさん(Drums)は10年以上の付き合いで、クボタケイスケさんだけは、la la larksを始める時に「はじめまして」でした。
内村:ターキーさんがクボタさんと演奏したことがあって、「すごくいいよ」と紹介してくれたんです。
Q:それぞれにキャリアがあるメンバーが集まったバンドですが、la la larksならではの良さをどう感じていますか?
内村:なんでもできることじゃないですかね。すごくざっくりした言い方ですが(笑)。
三井:雑な言い方だけど当たってる(笑)。
内村:決め事がなくて、その時々にやりたいと思ったことが自由にできるんです。今回の「ego-izm」だったら、アニメ作品に対して応えたい楽曲。いつも音楽に自由に向かい合えるところが、居心地がいいですね。
三井:それぞれ経験があるので、譲るところと譲れないところのバランスが取れているんです。そのバランス感覚が楽曲にも活動の仕方にも出ていると思います。
ego-izmQ:2012年から活動されていますが、「ego-izm」がメジャーデビューシングルになるんですね。
三井:そうですね。ライブの特典としてデモ音源を配ったり、他のアーティストに楽曲提供したりというのはありましたが、全国流通するCDをリリースするのは、今回が初めてです。
内村:メンバーはそれぞれ他のバンドで何度もメジャーデビューを経験していますから、デビューすることよりもla la larksの作品を全国にお届けできることのほうが喜びが大きいですね。『M3~ソノ黒キ鋼~』というアニメ作品に出会って、佐藤順一監督とやり取りして、自然な流れでCDリリースに至ることができて、嬉しいなと。
Q:School Food Punishmentと江口さんは以前、坂本真綾さんに「Buddy」という曲を提供されていますね。その時にフライングドッグとの繋がりが生まれて、今回のリリースに至ったということでしょうか?
内村:そうですね。「Buddy」でお付き合いさせていただいたプロデューサーさんから、「la la larksに合いそうなアニメがあるんですが、監督に音源を聴いていただいていいですか?」という話があって、「ぜひお願いします」と。
Q:School Food Punishmentは以前、アニメ『東のエデン』の主題歌も手がけられていました。アニメの曲を作る経験はすでにあったということですが、楽曲作りの面白さをどう感じていますか?
内村:ストーリーに即した詞や曲を作るのが新鮮です。自分たちが表現したい方向とは、別の方向を示してもらえるので。それに何より自分たちの曲に絵がついた時の興奮度が違います。楽曲の細部まで聴きこんで、こだわって映像を付けていただけるので、それがハマッた時は感動しますね。
Q:「ego-izm」は、どのようにして制作していったのでしょうか?
内村 まず、楽曲のキーワードとして「思春期の葛藤」というのをいただきました。運命を背負って生きること、人間関係のぎすぎすした摩擦など、10代のキャラクターたちが葛藤のさなかにいる感じを出してほしいと。その上で私がアニメのシナリオやキャラクター設定に目を通して、作品の世界観を掴みました。
三井:今回は内村さん以外のメンバーは、あえてアニメの資料に触れていないんです。作品世界に合っているかどうかの判断は彼女に委ねて、僕らはそのイメージに沿って制作を進めていきました。
Q:「ego-izm」は作詞、作曲、編曲ともにクレジットはla la larksですね。どのような役割分担だったのでしょう?
内村:楽曲に関しては、基本形は江口さんが作りました。デモ段階で、江口さんにいろいろなことを聞かれましたね。たとえば「このサウンド感は明るすぎないか」とか「もっとサウンドをぎすぎすさせたほうがいいのか」とか。毎回のストーリーが終わった後に流れる曲としての温度感を江口さんに伝えて、曲をいじっていきました。
三井:僕らはそのデモを聴いて、レコーディング現場でさらにアレンジのアイディアを出していきました。
M3~ソノ黒キ鋼~Q:作詞は、作品の世界観をよく知る内村さんの担当だったんですか?
内村:はい。「思春期の葛藤」というテーマに沿って、私が感じたことを書きました。『M3~ソノ黒キ鋼~』は謎が多くて、何かを予感させるエピソードがところどころに散りばめられているのが面白かったですね。一度書き上げた詞は、みんなに見てもらって、さらに手を加えていきました。タイトルを「ego-izm」と名づけたのも、私ではなくターキーさんです。
Q:完成した「ego-izm」は、まさに葛藤を感じさせる曲になっていました。まずイントロのピアノに心がざわめくんですよね。
三井:江口くんのデモ第一弾から、あのイントロが入っていました。それを聴いた瞬間、僕は「来たな!」と思いました。この曲は大変なことになりそうだなと。
Q:それは演奏の難易度が、ということですか?
三井:そうですね。難易度は激高です(笑)。
内村:ボーカルも私が今まで歌ってきた中で一番難しかったです。私はいろいろな方の難しい曲を練習するのが大好きで、自分の中では「創聖のアクエリオン」が最高難易度だったのですが、今回はそれを超えました。
三井:しかも自分の曲で(笑)。ダークでテンポが速いんですよね、「ego-izm」は。アニメでオンエアされているのは1分30秒のバージョンなのですが、フルサイズにはさらにお楽しみ要素というか、この曲はいったいどう展開していくのかというスケール感があるんです。ですから、ぜひCDでフルサイズを聴いていただきたいですね。
内村:どんどん変化していく曲なんです。CDにはインストゥルメンタルも収録されていますが、それも聴いていても面白くて。「ego-izm」はインストもオススメです。
Q:デビューシングルとして、la la larksの魅力を表現できた曲になったと感じていますか?
内村:この曲だけがla la larksらしいということはないんですけど、一つの世界を作れたと思います。アニメに正面から向かい合って、私たちなりに作品に応えられた曲になりました。
三井:変幻自在なのがla la larksなので。「ego-izm」もまた、僕らの音楽の最適なパーツの一つになればいいなと。
内村:『M3~ソノ黒キ鋼~』とのコラボレーションで、今までの曲とはまた違う世界が現れました。いろいろな楽曲が重なって、総合してla la larksが出来上がっていると、後々言われるようになるといいなと思っています。
『M3~ソノ黒キ鋼~』公式サイト:http://m3-project.com/
公式twitter:@M3_anime
©佐藤順一・岡田麿里・サテライト/M3プロジェクト
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