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Vol.125 『キック・アス』

キック・アスマスコミ試写にて『キック・アス』を観賞。下町コメディ映画祭in台東でジャパンプレミアを行ったアメコミヒーロー映画……ではありますがR15+のレイティングがなされていることでもわかるように、『スパイダーマン』などのヒーロー映画と違って子どもと楽しめる映画ではなく、けっこう人を選ぶ映画だと思います。
話としては、なんの力も持たない高校生が自前のスーツとマスクで自称ヒーロー“キック・アス”として自警団活動をするうち、ニコラス・ケイジが演じる“ビッグ・ダディ”、そして高度な訓練を受けたその娘“ヒット・ガール”とともに麻薬犯罪組織に立ち向かっていく……というアクション映画です。


ヒーローがヒーロー然としておらず、いわばダメヒーローが主役。そこに登場する11歳の女の子が主役とは対照的にばったばったと敵をなぎ倒す。このギャップがこの映画の一つのおもしろさであり、かつ、主役がヒーローとなるための布石であったりします。
しかしながら、そこにどうも爽快感が感じられない。最初に“人を選ぶ映画”と書きましたが、あくまでフィクションであり、いま我々がいる現実とはまったく無関係の世界なのだと割り切れる人、そういう見方ができる人ならOKだと思います。それができない人には厳しいかなぁと。
まず、かなりエグいシーンが多く登場します。暴力的な描写という表現ではなく、エグいです。冒頭からエグいシーンで始まり、人間が破裂したり、子どもに向かって銃で撃ったり……。
それから敵組織が悪いやつだとは認識できるのですが、皆殺しにされなければならないほど憎らしいと感じられない。これが個人的には致命的に感じられました。ニコラス・ケイジが演じるビッグ・ダディは元警察官で、その組織の罠にはまって犯罪者にさせられてしまう。そのことをきっかけにして奥さんが自殺してしまうが、お腹にいたヒット・ガールは無事生まれる。そこでその復讐を誓って立ち向かっていくわけですが……。
無実の罪で犯罪者となってしまったことへの怒りはわかります。だからといって娘に人殺しの訓練を施したりというのはどうなんでしょう。11歳の娘が誕生日にバタフライナイフを欲しがるような教育。人を殺して褒める親とか、ちょっと壊れてますよね。復讐のためだったらいいんでしょうかねぇ。
また、この無実の罪をきせられる下りがコミックで表現されているのですが、なぜここを実写でやらなかったのかがすごく疑問です。敵組織をつぶしてやる!という感情につながりにくかった。そこに感情移入できないから、敵組織との戦闘でも何か応援しきれない感じがあり……かなり残念に感じました。
あと、ギャグもいろいろさしこまれていて笑えることは笑えるのですが、ほとんどが下ネタ。たとえ笑えても、下ネタによる笑いは私は評価しないので、その点は加点にならないというところですね。
いずれにしても、こういうノリをすごく好きだという人もいるので、人によって評価は大きく変わる、そういう映画だと思います。
ただ、公式サイトでR15+の映画だということが明確にされてないのはまずいんじゃないでしょうか。レイティングはきちんと表示して、そういう映画だとわかった上で観てもらう必要があると私は思います。
『キック・アス』は12月18日から渋谷シネセゾンほかにて全国ロードショーです。
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