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Vol.265 『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』

パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊TOHOシネマズ日本橋にて『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』をTCX、Dolby ATMOSで鑑賞。『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ最新作。

ウィル・ターナーの息子ヘンリーは、父の呪いを解く力を持つポセイドンの槍にたどりつく方法を知る天文学者カリーナと出会う。その頃、落ちぶれて一文無しとなっていたジャック・スパロウは、ラム酒と引き替えに北を指さないコンパスを手放し、海の死神サラザールを魔の三角海域から解放してしまう。ジャックのために呪いを受けたサラザールはその復讐のため、バルボッサを脅し、ジャックへ迫る。サラザールから逃れるためにはポセイドンの槍が必要で……。それぞれの思惑が交錯する中、ポセイドンの槍の争奪戦が始まる。

前作『生命の泉』から6年。久しぶりのジャック・スパロウの冒険譚が作られました。演じるのはもちろんジョニー・デップ。前作から時間が開いたこともあり、これまでの作品を知らなくても観られるストーリーに加え、第1作からキャラクターであるウィル、バルボッサ、そしてウィルとエリザベスの息子であるヘンリーを登場させ、シリーズとしても楽しめるようにされています。

ジャックの行き当たりばったり感、バルボッサのなんとも言えない存在感に、ヘンリーやカリーナといった新キャラクターが加わり、一つのアイテムを巡る物語はかなりにぎやかな感じでした。

英国軍とのチェイスシーンのアクションなどもかなりの迫力で描かれているのですが、Dolby ATMOSのわりには音の立体感がなかったのがちょっと残念。きちんと分割配置されているのですが、それが効果として活かし切れていないというところでしょうか。

今回の敵は、呪われたサラザール。かつて、スペインの提督として海賊たちを追い詰めていたサラザールはジャックにはめられ、呪われてしまい、その復讐のためにジャックを狙うわけですが、その呪われた姿の表現に少し違和感が。部下なども含め、体のあちこちがなくて向こう側が見えるような姿なのですが、どうも浮いて見えるのです。あぁ、合成しているなというのがはっきりとわかるというか……そのエッジ部分の処理の問題だと思うのですが、もう少し自然な感じにできなかったのかなと思いました。

全体としては、安心のジャック・スパロウ印という作品で、これまでのシリーズが好きな人はもちろん、これまで観たことがない人でも楽しめる作品だと思います。第1作のような新鮮味はありませんが、1つの話としてうまくまとまっています。

今日もジャックは、カリブ海のどこかで飄々とその日を楽しんでるんだろうな。またいつか、そんなジャックの姿が観られるといいなぁと、映画を観終わった後にふと思ったりする、そんな映画です。

『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』は、全国ロードショー中です。

©Disney

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