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Vol.248 『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』

マスコミ試写にて『探偵ミタライの事件簿 星籠の海(せいろのうみ)』を鑑賞。島田荘司さん原作のミステリー、御手洗潔シリーズを初の映画化。

脳科学者・御手洗潔のもとに、編集者である小川みゆきから難事件が持ち込まれる。瀬戸内海の小さな島では、身元不明の死体が半年の間に6体も流れ着いたという。現地の飛んだ御手洗は、死体はいずれも瀬戸内の潮流によって広島県福山から流れ着いたものと推理する。その福山で御手洗と小川を待っていたのは、外国人女性の変死事件、赤ん坊の殺害とその両親に対する猟奇的な事件であった。そして、海で目撃される水龍、戦国・幕末の出来事まで、複数の事件が御手洗によって1本の糸につながっていく……。

探偵ミタライの事件簿 星籠の海

横溝正史が亡くなった1981年12月、島田荘司さんが『占星術殺人事件』でデビューしました。読み応えのある謎解き、時に読者へも挑戦するその物語の主人公はIQ300を誇る天才・御手洗潔。その後も御手洗の物語は続き、この『星籠の海』は49作目、今月には50作目となる『屋上の道化たち』が出版されます。

作品によりますが、御手洗シリーズというと、石岡というライターが事件に振り回されていて、御手洗はちょっと斜に構えるというか、その喧噪とは別なところで一人で脳細胞を回転させて、事件を解決していくというイメージがあります。どちらかというとアームチェアディクテクティブが似合う探偵という感じでしょうか。

今回は舞台が愛媛、それから福山ということで、わりとアクティブな動きをしていると思いますが、原作の雰囲気はそのまま、わずかな事柄から事件や人、そして歴史の出来事までを推理してしまう姿、そして、その言い回しまでものすごく御手洗というキャラになっていたと思います。

探偵ミタライの事件簿 星籠の海

玉木さんの御手洗潔は、島田さんも絶賛しているそうですし、確かにイメージは合う気がしますね。ただ……御手洗って1948年生まれなんですよね、実は。

今回、原作ではおなじみの石岡の代わりに、小川みゆきというオリジナルキャラクターが登場します。こちらは広瀬アリスさんが演じているのですが、話に進展があるとそのことではしゃぐ、舞い上がるという姿が、まさに石岡の代わりという感じでした。逆に女性だったことで、さらにそうしたキャラっているよなぁという雰囲気もあり、とてもいい感じだったと思います。

原作でもそうなんですが、どちらかというと御手洗が寡黙に推理を積み重ねている間、周りがどたばたして、読者や、映画の場合は観客になりますが、その目線までおりてくるので、うまく乗せられてしまうというか、ミスリードされてしまうんですよね。まあ、それが楽しいんですけど。

探偵ミタライの事件簿 星籠の海

本作は800ページ以上というボリュームの原作を映画化していることもあって、詰め込むだけ詰め込んだというイメージでした。謎の漂着遺体、事故と思われる遺体、殺人事件に、目や口を縫われた夫婦、さらに瀬戸内海で目撃される水龍、そして、織田信長の鉄鋼船を沈め、ペリー艦隊を迎え撃つための秘密兵器“星籠”。

複数の、しかも一見つながりのないような殺人事件群と、鞆の浦にまつわる歴史ミステリー、そして人間関係。ばらばらだった糸くずが、御手洗の推理によって太い1本の糸になっていく展開が、観ていて気持ちいい感じでした。御手洗シリーズは、これ1作で終わることなく、もっともっと続いてほしいです。

探偵ミタライの事件簿 星籠の海

1つだけ文句があるとすれば、なぜタイトルはミタライとカタカナなのかと。雰囲気壊れる気がするんですけど……。

『探偵ミタライの事件簿 星籠の海(せいろのうみ)』は、6月4日から全国ロードショーです。

(C)2016 映画「星籠の海」製作委員会

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