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Vol.240 劇場版『媚空-ビクウ-』

媚空-ビクウ-マスコミ試写にて劇場版『媚空-ビクウ-』を鑑賞。『牙狼<GARO>』シリーズ10周年記念作品として製作された、秋元才加さん主演の特撮作品。

闇に墜ちた魔戒騎士や魔戒法師を討伐する闇斬師・媚空のもとに、元老院からの使者・代知が指令を持って現れる。その指令は魔戒法師ウサミが闇に墜ちているかどうかを確かめることだった。入心の術によってウサミの精神世界へ入った媚空は、通常とは違う様子を目の当たりにする。その原因を探るため、師匠である白海法師のもとを訪れた媚空は、今回の現象の裏に、白海が討伐したはずの魔戒法師・絶心の存在を知るのだった。

『牙狼<GARO>-魔戒ノ花-』に登場した闇斬師・媚空は当初ゲスト扱いのキャラクターだと思っていたのですが、ストーリーに深くからみ、最終的にはとても重要な存在になっていました。媚空を演じた秋元さんは、最終話上映会のトークショーで「牙狼に参加できたことがうれしい。また呼んでもらえるようにがんばりたい」と語っていましたが、呼ばれるどころか主演映画ですから大出世ですね。

その最終話上映会のとき、雨宮監督は「次への展開が膨らむキャラクターを作るのが楽しい。媚空は役者さんの力でそれが表現できた。」と言っていたので、『魔戒ノ花』の時点でなんらかのイメージはあったんじゃないかと想像しています。これまでのどの魔戒法師とも違う媚空という存在は、こうして単独で形になることでより光って見えました。

この物語はもちろん牙狼シリーズですから、激しいアクションが売りではありますが、そこよりも注目してほしいのは精神世界の描き方です。入心の術を用いて人の心に入り、その心を打ち砕くことによって闇に墜ちた者を葬る闇斬師。当然のことながら、人によってそのありようが違う世界になるので、製作側のイマジネーションが如実に現れます。

花畑のような明るい精神世界もあれば、システマチックに囲われた白い部屋のような世界もある。とてもシュールな世界です。それをオープニングからイメージさせる導入部が今回とても気に入りました。どこかもの悲しい雰囲気のBGMの背景で描かれたオープニングは、マグリットの世界のように見えました。また、ウサミの精神世界はエッシャーの世界のようでしたし、牙狼シリーズに新しい世界が加わったなという感じでした。

媚空-ビクウ-

話としては、闇斬師という、これまで描かれてなかった者たちのドラマです。ホラーを狩る魔戒騎士や魔戒法師とは違い、闇に墜ちた騎士や法師を人知れず狩る存在は孤高の戦いであり、とても強い精神と信念の持ち主でなければなりません。その姿をまったくブレることなく演じており、最初から最後まで一貫して媚空である秋元さんがすばらしかったです。

今回は、媚空の師匠である白海、入心の術を使いすぎて壊れてしまった絶心、そして闇斬師を目指している代知の4人が、それぞれ違う立場で闇斬師というものを表現してくれます。その闇に触れる、そして人の心に触れるというのはどのようなことなのか。個人的には、これまで描かれた、例えば莉杏やハルナといった魔戒法師の対極にいるのが闇斬師なのでないかなという気がしました。

映画としては、これまでのシリーズのしがらみがない形で描かれているので、『魔戒ノ花』をはじめとする話を観ていない人でも、この作品だけで楽しむことができます。ほんの少し弟の話が出てくる部分はありますが、特に影響はありません。むしろここから新しい闇斬師のシリーズが立ち上がってもおかしくないし、必殺シリーズのような雰囲気で展開できるのではないかなという期待が持てました。

劇場版『媚空-ビクウ-』は11月14日より新宿バルト9他にて全国ロードショーです。

(C)2015「媚空」雨宮慶太/東北新社

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