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『ザ・イースト』映画評論家・町山智浩がアメリカの現状をぶった切る!

LA TIMES紙「2013年 最も過小評価された映画」第1位!!!
全米メディア絶賛のスーパー・リアル・フィクション
『ザ・イースト』
映画評論家・町山智浩がアメリカの現状をぶった切る!
トークショー付き試写会イベント開催

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映画ファンのための良質な作品を世に送り出してきたFOXサーチライト・ピクチャーズが、2014年に創立20周年を迎えたことを記念し、始動したFOXサーチライトプロジェクト。
本プロジェクトの第2弾作品として、環境テロリスト集団に潜入した女性捜査官の葛藤を
描く、スーパー・リアル・フィクション『ザ・イースト』が、1月31日(金)より公開となります。
映画の公開を記念して、本作で描かれている“アメリカの現状”をよく知る人物、映画評論家・町山智浩さんが登壇し、トークショー付き試写会イベントを実施しました。
●『ザ・イースト』町山智浩さんトークショー付き試写会イベント
実施日:1月24日(金)
会場:20世紀 FOX試写室
登壇者:町山智浩(映画評論家)
「今日はみなさん仕事さぼってきたんですか?」とパンチの効いた挨拶と共に登場した町山智浩さん。会場には町山さんのぶっちゃけトークを楽しみにしてきた観客で満席となり、その登場を拍手で迎えました。
町山さんはアメリカに関するテーマを基にトークを展開。その中では「映画と同じように、企業が危険を含む薬を人間に飲ませて実際に人が死ぬケースが起きてる」という衝撃的な発言も飛び出し、その事実を知った観客は驚きを隠せない様子でした。
さらに、会場ではTwitterで町山さんに対する質問を募集し、その場で生解答するという企画も実施。本人の目の前で質問できる貴重な機会ということで、会場からはたくさんの質問が寄せられました。中でも「テロリスト達の資金力はどこにあるのか?」という質問に対し、町山さんは「人権や環境問題でテロやジャミング(行動を邪魔する行為)をしている人達へは大手企業もけっこう資金を提供してる。ジョン・レノンとオノ・ヨーコも資金を提供して国に目をつけられてた。」とコメント。
映画と同様に、今目の前にある問題のリアルさが伝わるイベントとなりました。

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MC:それでは町山さん、よろしくお願いいたします。
町山さん:こんにちは。今日は昼間からのイベントですけど、みなさん仕事をさぼってきたんですか(笑)? お集まりいただきありがとうございます。
この映画はブリット・マーリングとザル・バトマングリが作った作品ですが、ブリットは自分で脚本を書き、主演女優もやって、見た目も素晴らしいという方です。
アレキサンダー・スカルスガルドとのラブシーンも自分で書いてるからね!
スカルスガルドはいつも服脱いでるんですけど、今回も脱ぎますね。
お父さん(ステラン・スカルスガルド)は悪い奴の役ばっかりやってるんですけど、彼はイケメンだしよく脱ぐし、ヒュー・ジャックマンを継ぐ俳優ですね。
エレン・ペイジも出てますけど、彼女は童顔だよね(笑)。彼女の役も今のアメリカを投影している役で、よくできた映画だなと思ってます。
映画の中の男女関係については僕の一番苦手とする部分なので、今日はそれ以外についてご紹介できたらと思います。

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<ここからテーマに沿ってトークを展開>
―カイロン社爆破事件
町山さん:環境テロは実は2番目くらいによく起きているテロ活動なんですね。
僕はサンフランシスコのエメリービルに住んでたんですが、近所で爆破が起きたんです。警察もたくさん来たんですけど、それがカイロン社爆破事件ですね。
この町では政府の依頼でインフルエンザのワクチンを作っていたんですけど、そのワクチンを人間に最も近いDNAを持つチンパンジーから作っていたんです。
その実験に反対して起きたテロ行為でした。
―トレイン・サーファー~ダンプスター・ダイビング
町山さん:映画の中で主人公がごみ箱に入っていたピザを食べたり、無賃で電車に乗り込んだりしているシーンがありますが、これは今ひとつのムーブメントになっていて、思想的行為と言われています。
無駄の多い世の中で、資本社会に取り込まれていない人たちがやってるんですが、ダンプスターというのは業務用のごみ箱なんですね。大体スーパーの裏側とかに置いてあるんですど、まだ食べられる食品が大量に捨てられてる。
彼らはそこに入ったり、ダンプスターの中の物を食べたりしてその様子をYoutubeにアップするんです。
フードサルベーションというんですけど、お金持ちの人でもやってますよ。
映画の中では、ゴミ箱の中の物を食べたりできれば合格、仲間として認めるという入学試験のように扱ってますね。
―地球開放戦線(ELF)
町山さん:これが映画に出てくる環境テロ集団<イースト>のモデルになってるんですけど、送電線を破壊したり原生林の中にクギを入れておいて、それをチェーンソーで伐採しようとした人を大けがさせたり、過激なやり方で政府の捜査対象になってます。
映画の中で<イースト>のメンバーは集団生活をしてますけど、実際はチームで暮らしたりはしていません。「自分は環境テロリストだ!」って言ったり、何か行動すればもうメンバーですから、実態が無いんです。だから捜査しづらいんですよね。
―“THE EAST(ロゴ)”
町山さん:「THE EAST」という名前の由来は色々あると監督が語ってるんですけど、例えばあの「オズの魔法使い」では東の魔女によってドロシーの家がつぶされてしまう所から始まりますよね。それで東には怪しいイメージがある所からであったり、映画の中で戦っているのが西洋文明であったり、監督がイラン系なので、ミドル・イーストとかも関係あるんじゃないでしょうか。
―ストラトフォー
町山さん:映画に出てくる調査会社は実在するんです。
CIAのような調査をするんだけど、民間企業であると、それがストラトフォーです。
国の損害に関わるテロ行為とかについてしかCIAは調査しないので、それ以外の調査をして、企業利益のために働く民間情報機関ですね。
ジョージ・フリードマンという人が設立しました。
―ウィキリークス
町山さん:今説明したストラトフォーが環境保護組織を調査しているだとか、そういう情報をリークしたのが「ウィキリークス」というサイトです。
2012年に映画と似たような事件があってそれをリークしたのもウィキリークス。
映画の撮影もその頃行われているはずなので、そういうリアルタイムで起こっている事を作品に取り入れている所が素晴らしい映画です。
―カルチャー・ジャム~イエス・メン
町山さん:みなさんジャミングって知っていますか? 例えば韓国と北朝鮮がお互いのラジオ放送の周波数を合わせて、「俺の国最高!」っていう話を対抗して聞かせあってるんです。そうった邪魔する行為をジャミングと言います。
カルチャー・ジャミングで有名なのがイエスメンというグループなんですが、彼らは大手企業のCMを勝手に作ったりしてジャミングしてるんですね。
ある企業が有害ガスを流出させて、大量の死人が出たんですけど、イエスメンは勝手にその企業のスポークマンだと名乗ってテレビに出て、「被害にあった方々に保障をします。」と勝手に発言したんですよ。
そしたらその企業の株が大暴落しちゃって。違法ギリギリですね。
<イースト>達もそれにならってテロ行為を「ジャムする」と言っていますね。
―ナイロビの蜂
町山さん:映画の中で、悪徳企業が健康被害を及ぼす新薬を普通に人に売ろうとしてますよね。あれは実際にあった事です。
ドイツの製薬会社が作った薬があって、健康被害を及ぼさないか実験をして大量に人が死んだんです。その危ない薬を飲まされたのがアフリカ人達で、彼らは無料で医療してあげるよという代わりに、その危ない新薬を彼らに投与した。
その時の薬は本当に危険な薬で今では闇に葬られたんですけど、そんな薬を人間で実験をしたんです。
その告発を描いた映画が『ナイロビの蜂』ですね。
―アノニマス(ジェレミー・ハモンド)
町山さん:<イースト>がかぶる人の顔をしたマスクはアノニマスを模してますね。
そもそもあのマスクですが、『V フォー・ヴェンデッタ』という映画のモデルにもなっているガイ・フォークスという人が、イギリスの国会議事堂への爆破テロを企てたんですね。
彼は捕まって死刑になったんですけど、そのガイ・フォークスを自由の象徴とする人達が彼の顔を模して作っています。
そのアノニマスの一人であったジェレミー・ハモンドという人物は、ストラトフォーに実際入って、その内部をウィキリークスに告発した人物です。
―アーロン・シュワルツ~ダニエル・アンドアレス・サンディエゴ
町山さん:ダニエル・アンドレアス・サンディエゴという人はFBIに指名手配されている人物です。盗みも殺しもしておらず、動物実験をしている企業に爆弾攻撃を仕掛けました。そういう企業へのテロもFBIが介入するようになってきました。
アーロン・シュワルツは情報サイトで有料公開されている学術論文を無料にすべきとしてハッキングを仕掛けたんです。彼には数億ドルに上る罰金が言い渡されて、自殺しました。
昔とは違い、今は企業だけでなく、司法、FBI、CIAが介入し戦うようになっています。
<次にTwitterに寄せられた質問に回答するコーナーへ>
Q:年間どのくらいのテロが起こっているんでしょうか?
町山さん:全部を数えることはできませんが、例えばGoogleやApple社の社員が会社にいけないように電車を止めちゃうとかもありますよね。
これはいい企業の社員たちが次々に同じ地域に引っ越してくるからなんです。
彼らが引っ越してくると家賃が上がり、それまでそこで暮らしていた人たちが住めなくなる。
そういう小さいテロ活動も日々起こっていますね。
Q:環境テロリストたちの資金源はどこにあるんでしょうか?
町山さん:実は環境テロや人権テロ組織にはけっこう資金を提供する人や企業は多いんです。
『バンク・ジョブ』って映画でもやっていましたが、イギリスで黒人活動家の顔を持っていた男がいて、彼は英国王室のゴシップ写真とかを持っていたからMI6も中々手を出せなかったんだけど、彼にジョン・レノンとオノ・ヨーコが資金提供してました。そのせいでジョンは国家から目をつけられてたけど。
さっき出てきたイエスメンに対しては、A&Mレコード(アメリカの大手レコード会社)とかが資金を出してますよ。
違う話ですが、この間安倍総理がアフリカに行きましたよね?
リチウムとかを得るために他の国は何年も前から交渉に行ってるんですが、日本が一番遅いんですよ。日本は何やってんだ!って。
そんな交渉を企業ではなく国がやっている事が変なんですが、企業がやっている事と国がやっている事がこんなにバラバラなのは日本だけ。
悪いことではないですが、だからこそ他の国に取り残されてるんです。
<最後に一言>
町山さん:『ザ・イースト』は正義か悪か、という点をはっきりと描いていません。
テロ行為を否定するような描写はなく、でもその報復もあることをちゃんと言っています。
資本主義になっている今だから価値のある映画ですね。

監督・脚本:ザル・バトマングリ
脚本:ザル・バトマングリ/ブリット・マーリング
出演:ブリット・マーリング、アレキサンダー・スカルスガルド、エレン・ペイジ、ジュリア・オーモンド、パトリシア・クラークソン
配給:20世紀フォックス映画
提供:FOXサーチライト・ピクチャーズ
『ザ・イースト』
1月31日(金)TOHOシネマズシャンテ/新宿シネマカリテほか、全国ロードショー
(C)2013 TWENTIETH CENTURY FOX
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