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『凶悪』公開直前トークイベント開催

9月15日、numabooksと博報堂ケトルが共同プロデュースした話題の本屋B&Bにて、白石和彌監督、プロデューサーの赤城聡氏と共に、『フラッシュバックメモリーズ3D』監督などで知られるドキュメンタリー監督・松江哲明氏をむかえて映画『凶悪』公開直前トークイベントが実施された。
本作は、今年最大の衝撃作にして骨太なエンターテイメント作品として、崔洋一、三池崇史、瀬々敬久、犬堂一心と日本を代表する監督たちからも大絶賛の声があがっている。人間の狂気と正義を真っ向から描いた衝撃的内容は予告編からも垣間見れ、山田孝之の鬼気迫る演技、ピエール瀧の背筋が凍る怒号、そしてリリー・フランキーの高笑いなど、あまりに強烈すぎる内容に公開前から大反響を呼んでいる。映画『凶悪』の世界を、今後の日本映画界を牽引する監督たちとプロデューサーが語った。
日程:9月15日(日)
場所:本屋B&B
登壇者:白石和彌監督、松江哲明氏、赤城聡氏(『凶悪』プロデューサー)

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赤城プロデューサーは「原作を読んで詳細を知り、直感的に映画にしたいと思った」と企画発端の経緯を説明。「『殺人の追憶』『チェイサー』を見て、日本でもこういう映画を作らないといけないと思った」という中で、誰と組めばいいのか?と悩んでいた時、「当時『ロストパラダイス・イン・トーキョー』で監督をしていた白石監督だった」と語る。そして、「社会と通じるエンターテイメントを作りたい」という共通のテーマが合致し、製作に至ったと明かした。「生意気かもしれないけど、『復讐するは我にあり』『飢餓海峡』『砂の器』の系譜になる映画にするつもりで作った」と強い意思を語った。
企画前段階で赤城プロデューサーから原作を渡された白石監督は「事件は知っていたが、ニュースの表面上では分からないことが行われている。不謹慎だけど、面白かった。未解決事件をジャーナリストからの告発により逮捕に至ったという経緯ではただのヒーロー映画になってしまうと思った」と原作があまりにも衝撃的かつ完璧だったため、映画化するにあたっての悩みを語った。
映画を見た松江氏は、「映画でしか描けないドラマ部分を入れたのが圧倒的に面白かった。記者視点で描いていて途中で視点が変わる、日本映画らしい映画。堂々と映画的手法を撮っている。これは人間のミステリーですね」と絶賛。白石監督は「人間のミステリーという意味で参考にしたのは、母のミステリーを描いた『母なる証明』。『凶悪』は悪の境目とは?というミステリーに持っていければ」とコメント。
さらに、松江氏は「ジャーナリスト藤井の家庭部分が入って現代の問題になっている。現実に沿っているのでドキュメンタリーに近く、生活の中までにじみ出る”嫌なお持ち帰り感”がある」と語ると、白石監督も「泣ければOKというエンターテインメント感は間違っている。もやもやしたものを持ちかえってほしい」と熱く語った。
本作でジャーナリスト藤井を演じた山田孝之を「若手俳優の中で一番好き」と語る松江氏は、「(映画の中での)変化がすごい!」と語った。山田は人間の精神的変化の段階を11段階に分けて役作りをしたというが、これに対して白石監督も「現場ではその変化は分からないが、つなげるとその計算が分かる」と、日本映画の未来を担う俳優として絶賛した。
最後に、赤城プロデューサーは「完成したのが夢のよう。ライフワークのつもりで取り組んだ」、白石監督は「こういう題材の映画はないので、誰かやるだろうではなく自分がやりたいと思ってつくった。見終わった後、映画と向き合えってほしい」とコメント。松江氏は「白石監督にはマーティン・スコセッシの『グッドフェローズ』『カジノ』の路線で、実録もの映画にも挑戦してほしい」とリクエストした。

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出演:山田孝之 ピエール瀧 池脇千鶴 リリー・フランキー
原作:新潮45編集部編『凶悪 -ある死刑囚の告発-』(新潮文庫刊)
監督:白石和彌
脚本:高橋泉、白石和彌
企画協力:新潮社
配給・宣伝:日活
『凶悪』
9月21日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
(C)2013「凶悪」製作委員会
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