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Vol.193 『パシフィック・リム』

パシフィック・リムTOHOシネマズ錦糸町にて『パシフィック・リム』観賞。発表されたときから楽しみにしていた、ハリウッド版怪獣映画。
太平洋の深海の裂け目から現れたKAIJUを迎え撃つべく、環太平洋沿岸諸国が力を合わせ、人型巨大兵器“イェーガー”を開発。対KAIJU兵器として活用する。しかし、その運用コストの高さから、イェーガー計画は中止となり、“命の壁”と呼ばれる防護壁構築に戦略がシフトしていく。が、その“命の壁”はKAIJU襲撃で1時間も持たずに崩壊。残ったイェーガーはたった4機。出現間隔が短くなり、さらに凶暴なKAIJUが出現する中、人類の存亡をかけたミッションが開始される……。

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ハリウッドの最先端映像技術を使って、日本の特撮のような映画を作ったらどのくらいすごいものになるのか? そういう期待が大きく膨らんだこの『パシフィック・リム』。おもしろかったです。上映時間2時間10分もあっという間でした。が、おもしろかった、で終わりという感じでしょうか。
事前の情報で期待しすぎて、実際に観たときにこんな感じかぁと思うことはままありますが、この作品はそういう感じではなく、思っていた映画と違ったという感じでしょうか。何種類ものKAIJUが現れて、そこに巨大ロボが立ち向かう。これだけでワクワクするはずなのに、どうもワクワク感が足りない。
CMなどでも流れていた“エルボーロケット”をはじめとする肉弾戦。チェーンソードでKAIJUを切り裂くイェーガーの姿。迫力もあるし、そういう映像を観たいとも思っていたのですが、何か違うんですよねぇ。この感覚は『GODZILLA』を観たときに近いかも知れません。
生き物らしい動き、そして、その大きさの描写は、日本映画にはない映像なのですが、怪獣ではなく、大きな生物でしかないんですよね。そこに、怪獣の持つ凶悪さが今ひとつ感じられない。だーーと走り抜けて、ロボットに攻撃を仕掛ける大きな生物。街を破壊するシーンもありますが、戦闘シーンが海上であることが多いので、悪いやつというイメージが結びつきにくいということもあるかも知れません。
冒頭のサンフランシスコ襲撃で、ゴールデンゲートブリッジが破壊されるシーンなどではおっと思ったのですが、そういうシーンが少なかった。そこ以外ではシドニーが一瞬、あとは香港(ただし海上がほとんど)。やはり街を破壊する凶悪さは重要なんですね。
KAIJUの造型も、『GODZILLA』ぽかったというか、大きなグレムリンというか……。いろんな種類が出てきたはずなのに、あまり区別が付かず、カテゴリー4とか5とかいう言葉で説明されている感じで、それがどのくらい強さに差があるのかよくわかりませんでした。
イェーガーに関しては、かっこよくない、重たそう、という感想でしょうか。アイアンマンが大きくなったというイメージ。日本のアニメに出てくるロボットは、実際のところ実戦向きではないと思いますが、かっこよさというものがあります。それが感じられないのはやはりアメリカ人の思うかっこよさと日本人が思うかっこよさが違うからでしょうか。別にトリコロールカラーで塗るとか要りませんけど、ちょっと野暮った過ぎる感が否めませんでした。

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ストーリー自体はよく練られているというか、この時間によくこれだけのドラマを納めたなという印象はあります。KAIJUとの戦いで兄を失ったパイロット、家族を奪われたヒロイン、そのヒロインを親代わりに育てた司令官。ロシア、香港をKAIJUの手から守った英雄。若さがにじみでるオーストラリアのパイロットとその父親。
これだけの登場人物とそのドラマを織り交ぜながら進行するシナリオは及第点だと思います。特撮やアニメでよくあるキャラ同士の対立とか、家族ドラマなどのエッセンスがうまく入っていて、日本の作品をよく研究しているなぁというのはひしひしと感じました。
怪獣映画や『トランスフォーマー』シリーズのような作品が好きな方にはいい作品だと思います。
ただこの作品を観て、来年のハリウッド版ゴジラに一抹の不安を覚えたのも事実です。

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『パシフィック・リム』公式サイト
(C)2013 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.AND LEGENDARY PICTURES FUNDING,LCC


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