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『はじまりのみち』完成記念 原恵一×細田守×樋口真嗣 3監督シンポ

日本映画界が誇る!!
原恵一×細田守×樋口真嗣3監督が映画への思いを語る
『はじまりのみち』完成記念シンポジウム開催
『二十四の瞳』『喜びも悲しみも幾歳月』など数々の名作を生み出し、日本映画の黄金期を代表する木下惠介監督は、21歳で松竹蒲田撮影所に入所し、31歳で監督デビューするまでの下積み時代を、東京・蒲田で過ごしました。
生誕100年を記念して製作された映画『はじまりのみち』は、木下監督の戦時中の実話をもとに母子の情愛を描いた物語。『河童のクゥと夏休み』『カラフル』といったアニメーション作品で高い評価を受け、同監督を敬愛する原恵一監督が初めて手がけた実写映画としても注目されています。
この映画『はじまりのみち』の完成を記念し、原監督をはじめ、『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』などで知られるアニメーション映画監督の細田守氏、実写や特撮、アニメなどの幅広い分野で活躍する映画監督の樋口真嗣氏をパネリストに迎えたシンポジウムが開催されました。

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実施日:5月12日(日)15:25~
※試写会終了後に実施 一般のお客様の前にて
場所:東京工科大学蒲田キャンパス3号館地下1階 片柳記念ホール
パネリスト:原恵一監督 細田守監督 樋口真嗣監督(以上3名予定)
コーディネーター:濱野保樹(東京工科大学メディア学部教授)
濱野:細田さんと、樋口さんは原監督の初実写映画をご覧になっていかがでしたか?
細田:原監督のアニメのファンでずっと見ていたのですが、実写をやると聞いて若干不安に思うところもありました。アニメとは勝手が違うため、原さん独自のテイストが無くなってしまうと思ったからです。実際に出来上がった作品を見てみると、静かだけど力がある寸分違わぬ原恵一スピリットが作品全体に漂っていて、安心しました。
樋口監督:僕は撮影現場を見に行った時に安心しました。スタッフが監督を愛していて、みんなで支えている感じがしたからです。見学したとき、リヤカーが出発するところのシーンだったのですが、もう少し待つと日が射すから待とう、という時の現場がとても良い雰囲気でした。贅沢な製作環境では無かったと思うが、適格な画作りと芝居がリッチで、河原でのやり取りが特に好きです。
あとは、宮崎あおいさんがとても良かった。“学校の先生”という役での、望遠での横顔が雄弁に語っているな、と思いました。

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濱野:初実写映画ですが、実写を撮りたいという思いは前からあったのですか?
原:前向きにどうしても撮りたい、という感じではありませんでした。ただ、木下監督に光を当てたいとずっと思っていた自分の想いに嘘をつきたくなくて、今回引き受けました。
今回の映画は、当初脚本のみでの参加予定だったのですが、やるしかないなと思い、自信は無かったのですが、自ら監督をやってみようと手を挙げ挑戦しました。
濱野:実写映画を撮影するにあたってアニメと違った点、苦労された点はどこですか?
原:アニメは机に向かっての1カット1カット積み重ね。実写は大変な撮影のシーンの際に、スタッフからの要望があった時だけ画コンテを作成する、という感じでした。カット割りもカメラマンさんに頼っていました。実写はアニメと違って天候の影響も受けるので、そういう意味では大変でしたね。雨降らしも初めて体験したのですが、冬の山での雨降らしは俳優さんもブルブル震えながらの撮影で、現場は殺気立っていましたね(笑)撮り終えてからは、アニメーションと同じ作業でした。
映画になっていない場合、アニメは画をイジれるけど実写ではできない。
『はじまりのみち』は撮り足す必要もないくらい、ちゃんと映画になっていたので、良かったです。今回、実写とアニメの違いは本当に感じました。実写は撮影が終わるまでずっと走り続けている感じでした。
濱野:原監督は今後も実写を撮るのでしょうか?
原:そう簡単ではないので、調子に乗って実写にも!という気持ちはありません。
細田:原監督が実写にいくと、毎年原監督の作品が見られますね!(アニメの製作期間が実写よりも長いため。)

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濱野:3人にとっての「はじまりのみち」、映画人としての挫折と再生を教えてください。
樋口:僕は、自分の仕事を俯瞰してみれないタイプ。本能で突き進む事が多いので、もう少し俯瞰してみた方が良いかなと。映画を監督するってこういう事なんだなとこの映画を見て気づかされました。映画を作るのは良い事だなと思いました。
細田:実は僕自身、劇中の映画の中と気持ち的には同じ体験をした事があります。作品を作っている最中に、母が倒れてしまい、さらに諸事情で映画ができなくなった事がありました。看病しろと言っていた母が、看病に戻ってみると一から全部無しにして実家に戻るのはありえない、と母に言われました。『はじまりのみち』の内容が自分の体験とそっくりで、当時の自分を見ているような気分になりましたね。
原:映画監督の話なので自身と重ね合わせて書いてた気もします。この仕事が出来た事も運命的。毎日ブラブラしている時にこの依頼が来ていなかったら関われていたどうかわからないですし。偶然なんだけど、違う何か運命めいたものも感じます。

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濱野:『はじまりのみち』をご覧になった会場の皆様、これからご覧になる皆様へのメッセージをお願いします。
樋口:初めて見てから2か月、思い出してもじわじわ来る。田中さんのラストシーンで空を見上げて泣くシーン等を思い出すとグッときますね。10年後見たとしても良い映画。そして明らかに10年後、20年後に残る映画だと思います。会場にいる方は試写会でタダでご覧になったという事なので、最低でも5人以上に進めてください(笑)
細田:木下惠介監督生誕100年記念映画と聞いて、ビビッている人もいるかもしれませんが、気にしなくて良いと思います。若い人や生きている中で停滞感を感じている人、モヤモヤしている人がこの映画を見てまた「はじまりのみち」へ踏み出す事ができるかもしれない。そういった意味で若い方がたくさん見て頂くと有意義じゃないかと思います。そしてご覧になることで、木下惠介監督の映画を見たくなる、という見方で良いのではないかと思います。
原:初めて実写で監督をして、この歳でこんなにたくさん初めての経験、プレッシャーを感じる事があると思ってなかったです。やれてよかった。出来上がった作品も似たような作品が思い当たらないので、木下惠介監督作品のような過激な作品に出来たのではないかと思っています。今日の話を聞いてもう一度確かめたいと思った方は、ぜひ劇場に足をお運びください。
監督・脚本:原 恵一
出演:加瀬亮 田中裕子 濱田岳 ユースケ・サンタマリア
斉木しげる 光石研 濱田マリ ・ 山下リオ 藤村聖子 松岡茉優 相楽樹 ・ 大杉漣  ナレーション:宮崎あおい
配給:松竹

(C)2013「はじまりのみち」製作委員会
『はじまりのみち』
6月1日(土)全国ロードショー
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