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Vol.190 『聖☆おにいさん』

マスコミ試写にて『聖☆おにいさん』を観賞。累計1000万部突破の大ヒットギャグ漫画のアニメ化作品。神も仏もここにいる! 世紀末という大仕事を終えて、イエスとブッダがバカンスを過ごそうと選んだのは東京・立川だった。

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この『聖☆おにいさん』はギャグ漫画といってもゲラゲラと笑うタイプではなく、観ていて思わずニヤリとしてしまうようなネタの詰まった作品。最近のアニメだと『しろくまカフェ』のようなイメージと思ってもらえればいいでしょうか。
どこか癒やし系のほのぼのとした情景と、聖人ならではの奇跡、日本人の国民性とのギャップなどを盛り込んで、淡々と流れていくという作品。劇場版だからといって無理矢理エピソードを入れて盛り上げようとしたりということはなく、イエスとブッダのコンビが繰り出す、とても自然な流れで日本の1年を描いています。
桜の季節から始まり、プールでのハプニング(奇跡)が楽しい夏、子ども達との対決が白熱する秋、そして、イエスの誕生日をサプライズ演出で盛り上げようとするクリスマスから、日本ならではの年越しの風景。我々が当たり前のように過ごしている四季が、こんなにも暖かく描かれているのがけっこううれしいところ。

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四季というのは世界中にあるわけですが、その季節に敏感に反応し、季節折々の楽しみ方をするのは日本人がトップクラスだと思うんですよね。映画の中でも日本に来てよかったというようなセリフがありますが、世界遺産とか大げさなものではなくても、世界に誇れる庶民文化があふれている、それが日本なんだなと再認識できます。
この映画、外国の方が観たら、その風習なども含めてなかなか理解できないのではないかという気はします。だからこそ逆に外国からみたらどんなふうに映るのかなぁとも思いますが。

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新し物好きのイエスと、倹約家のブッダという設定があるのですが、このイエスが欲しがるものが特撮系、中でも仮面ライダーグッズだったりするのが個人的につぼでした。うんうん、それはわかるという感じ。ブッダをボタン星人と呼び、額を押そうとする子ども達も「3・2・1、変身!宇宙キターー!」と、仮面ライダーフォーゼ(作中では名称は出てきません)に夢中だったり。作者が仮面ライダーファンなんでしょうか。
お祭りの屋台で売られているお面もそのまんまだったりして、すごいな、だいじょぶなのかな?と思ったら、ちゃんと協力に東映のクレジットが入ってました。他の作品を描くってあんまりないですよね。でも、厳然としてそういうものが世の中にはあふれているわけで、それが架空のものだったりするのはリアリティが欠けてしまうというところもあり、それがまた自然な感じがしました。

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声の出演として、イエスに森山未來さん、ブッダに星野源さんがキャスティングされていますが、二人とも声優は初めてということで少々不安がありましたが、特に違和感はありませんでした。最初はちょっとオネエっぽいぞ、そっち路線の作品に見えるぞと思いましたが、春のエピソードが終わる頃にはこの感じがこの作品に合っているという気になります。最後まで観ると、この二人でよかったなと思うのではないでしょうか。
昨今のアニメのような刺激的なストーリー展開、描写などはありませんが、1時間半、まったりとした気分で観られる、そんな作品です。
『聖☆おにいさん』は5月10日から全国公開となります。
(C)中村 光・講談社/SYM 製作委員会
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