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Vol.187 『そして誰もいなくなった』

そして誰もいなくなった観賞映画振り返りコラムの65回目は1981年に観た『そして誰もいなくなった』。友人と二人で日比谷で観たのですが、有楽座だったかスカラ座だったか記憶にありません。
原作は言わずと知れたアガサ・クリスティの有名ミステリー。謎の招待状によって集められた10人が童謡による見立て殺人で1人、また1人と殺害されていく。集められた10人はいずれも法律によって裁かれなかった罪をもつ者たち。招待主の真意は? そして、犯人はこの中にいるのか? 外界から隔離された孤立状態の中で生き残ることができるのははたして……。


製作年から7年経過してからの公開は、この直前の『ナイル殺人事件』などの興行的成功によるものでしょうか。この作品はクリスティの中でも特に名が知られている作品ではありますが、ポアロもマーブルも登場しないので、誰を中心に謎解きしたらいいかが少々わかりづらく、映像化に向いているとは言いがたい感じがしました。
絶海の孤島という舞台設定を中近東の砂漠の中に移し、限られた空間と限定された登場人物で繰り広げられる心理サスペンスの要素も持ち合わせた作品でなければならないのですが、どうもその心理サスペンスという部分が弱く、登場人物たちが追い詰められた感が今ひとつ伝わってきません。淡々と一人ずつ殺されていくという感じ。
出演者は豪華で、オリヴァー・リード、リチャード・アッテンボロー、ハーバート・ロム、シャルル・アズナヴールらに加えて、招待主の声としてオーソン・ウェルズが参加しています。これだけのメンバーが揃っているにも関わらず、心理戦がうまく描けていないのは監督の演出力でしょうか。
原作を読んでいる人も謎解きが楽しめるようにということだと思うのですが、原作と違う点が細々とあり、ここは賛否両論分かれそうな気がします。原作に忠実な映像化を求める人もいれば、新しい物語を楽しみたい人もいるでしょうし、難しいところですね。
個人的には、『オリエント急行殺人事件』や『ナイル殺人事件』に比べて地味な印象を受けたのと、謎解きが今ひとつ楽しめなかったというのが素直な感想です。
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