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Vol.178 『るろうに剣心』

「るろうに剣心」オリジナル・サウンドトラックTOHOシネマズ錦糸町にて『るろうに剣心』を観賞。週刊少年ジャンプに連載された大人気コミック『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』の実写映画化。
コミックからの実写化作品というのは、ほぼ期待を裏切られることが多いと私は感じています。青年誌のコミックは物語自体が大人向けに作られているので、実写に向く場合がありますが、少年誌のコミックは実際に映像化した際に破綻する部分が少なくなく、やはりアニメのほうが合うと思います。しかし、この『るろうに剣心』はお見事と言っていい作品に仕上がっています。

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何がいいのかというと、まず原作では後のほうで語られる幕末期や戊辰戦争での人斬り抜刀斎の話をうまくシナリオの中に取り込み、この映画だけで剣心という人物像がわかる作りになっている点。原作を読んでいる人だけを対象としてない形になっており、さらに言えば抜刀斎と剣心という主人公の二面性まで表現できているシナリオ構成がよくできてました。
あと、時代劇としての完成度。鳥羽伏見の戦いでの新選組、特に斎藤一になりますが、幕府軍と倒幕軍の戦いの描き方のクォリティが高かった。『壬生義士伝』とはまた違った映像で、シーンとしてはそれほど長くないのですが、もう少し観ていたかったです。山縣有朋や桂小五郎といった実在の歴史上の人物や当時の文化財が登場したり、ディテールがかなり作り込まれたセットなど、リアリティあふれる舞台が作り上げられていました。
主人公を演じた佐藤健さんの演技もよかったですね。『仮面ライダー電王』のときから演技力、特に異なる人格を演じる力はすごいと思っていましたが、この作品でも見事に抜刀斎と剣心を演じきっています。
幕末に人斬りとして多くの人をあやめた抜刀斎がるろうにとして神谷道場に居候することになった下り。コミックでおなじみの赤い着物を初めて着るシーン。中庭に出て空を見上げた時の、なんとも言えない安堵感にあふれた剣心の表情。このシーンがとてもよかった。あの表情だけで剣心がこれまで過ごしてきた時間が見えるような、そんな感じ。『龍馬伝』の以蔵もいい演技で好評でしたが、この作品はさらに多くのファンを作るのではないでしょうか。
それから、アクションシーンのすばらしさ。殺陣というにはあまりにも速く、激しい戦いのシーンはコミックのバトルシーンを彷彿とさせます。21世紀の時代劇は今後このようになっていくんでしょうか。なんというか、『スター・ウォーズ』エピソード4の「まじめに戦ってるのか?」というオビワンとダース・ベイダーのバトルシーンと、エピソード1の戦いのシーンくらい進化したようなイメージとでもいいましょうか。この作品の斬り合いのシーンはもっと速いし、激しいですが。
ただ、ラストバトルとなる観柳の屋敷に剣心と左之助が乗り込んでいくシーンが少し物足りない感じがありました。この手の映画で、ラストバトルに主人公が乗り込んでいくときというのは、こう、背筋にぞわっとする感じがあってワクワクするものですが、そういう感じがなかったんですよねぇ。こういうところが悪かったからということもなく、なぜだかはわからないのですが、そこだけが残念でした。
時代劇好きとしては、時代劇を敬遠する世代にたくさん観てもらって、時代劇映画がもっともっと増えるといいなぁなどと思いました。

『るろうに剣心』公式サイト:http://www.rurouni-kenshin.jp/
配給:ワーナー・ブラザース映画
全国公開中
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(C)和月伸宏/集英社 (C)2012「るろうに剣心」製作委員会


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