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Vol.146 『スフィンクス』

スフィンクス観賞映画振り返りコラムの54回目は1981年に観た『スフィンクス』。振り返りコラム、今年に入ってまだ3本しか書いてませんでした。まだ30年前。いかん、いかんちょっとペースを上げないといつまで経っても終わらない。内容的にはみゆき座向きの作品でしたがみゆき座でなかったのは確かなので、有楽座で観た気がします。
この年の初めには以前Vol.123で書いた『ピラミッド』を観ていて、少々拍子抜けしたこともあり、またエジプトが舞台と言いながらだまされるかもなぁなどと思いつつ観たのですが、まったくの杞憂で、よくできたラブサスペンス映画でした。


古代エジプト王朝のファラオであるセティ一世の墓を作った人物を研究していた考古学者エリカは、エジプトでセティ一世の黄金像に出会う。その像にはある秘密が隠されていた。その秘密のために命を狙われることとなったエリカは、像に書かれていた文章を解読。その謎を解くために王家の谷にあるツタンカーメンの墓に向かい……。
いま見るとわりと冗長に感じる部分もありますが、セティ一世に関する謎、命を狙う連中の正体、そしてエリカを救い、恋仲となるエジプト古美術管理局長アーメッドの存在、王家の谷で待ち受ける真実など、様々な伏線がうまくからみあって物語を構成しているので、最後まで一気に楽しめる感じでしょうか。まあ、途中でラストはうすうす想像できてしまうのですが(^_^;)
この映画の主役を務めたのはレスリー・アン・ダウン。とてもきれいな女優さんで、ショーン・コネリー、ドナルド・サザーランドと共演した『大列車強盗』や、ハリソン・フォードと共演した『ハノーバー・ストリート』などに出演していた方です。しかし、この作品を最後にスクリーンではほとんど見かけなくなってしまいました。アメリカではTVドラマなどに出演していたようですがなぜ映画に出なくなったのか不思議なのと、もったいないなぁという気がします。
エリカと恋仲となるアーメッドはフランク・ランジェラが演じています。どうもフランク・ランジェラをみるとドラキュラにしか見えない(^_^;) 1979年の『ドラキュラ』の印象が強いんですね、たぶん。
実はこの作品、『猿の惑星』『パピヨン』で知られるフランクリン・J・シャフナーが監督しています。遺跡の中の息苦しさ、外の壮大な雰囲気、静けさと物々しさ……そういったギャップをうまく演出しているのはさすがです。
この作品で特に好きなのはラストカットのレスリー・アン・ダウンの表情。観ている者をとても切なくさせるその表情がとても印象的でした。
決して不朽の名作というレベルの作品ではありませんが、この内容とこのメンバーでありながら、この作品、なぜかDVDになっていません。ビデオは出ていたんですが……権利関係でしょうか? 確かオライオンの映画なので、いろいろあるんでしょうね。個人的にはこの作品が現在、メディアとして存在していないのは非常に惜しいですね。
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