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Vol.145 『電人ザボーガー』

RAH 電人ザボーガーマスコミ試写にて『電人ザボーガー』観賞。1974年にテレビ放送された特撮番組をベースに作られたリメイク映画。
試写時にもらった資料のイントロダクションには「『電人ザボーガー』ときいて、「ああ、あの……」と即答できる人はそう多くないだろう」とか、「知る人ぞ知るマイナー作品といっても過言ではない」と書かれているのですが、ちょっと謙遜しすぎかと。放送当時特撮を見ていた世代だったら誰でも知っているというレベルの作品だと思います。確かにその世代以外は知らないかも知れませんが……。


バイクが変形してロボットになる。このギミックの持っていたインパクトはかなり大きかった。これよりも以前にロケットがロボットになる『マグマ大使』といった存在はありますが、当時の特撮は『仮面ライダー』に端を発した変身ブームのまっただ中。バイクや車はヒーローが乗るものであって変身して戦うものではありませんでした。その変形というギミックが残した印象はとても強烈でしたね。
そのザボーガーが21世紀に映画として蘇る。リメイクといいながら、その知名度や設定だけを借りた別作品になるケースがままある中で、ザボーガーがどのような作品となるのか? 期待半分、不安半分で観たのですが、オリジナル版の持つキャラクター・設定・世界観をきちんと再構築しながらアレンジを加え、『電人ザボーガー』そのものでありながら、新作に生まれ変わっていました。
昔の作品を思い出すとき、その当時観ていた以上に頭の中で美化していたりします。ザボーガーのフォルム、動き、それから変形などに関しても実際以上イメージを持っている。オリジナル版のザボーガーのフォルムは、いま観ると非常に寸胴ですし、ディテールなどもそれほど凝った形になっていません。今回の映画でのリファインはそのギャップをきちんと埋めてくれるデザインになっています。
さらに、頭から飛び立つヘリキャット、足から出るマウスカーといった細かい設定もそのまま踏襲。もちろんバイクの変形シーンはカット割りなしのCGで描かれており、これこそザボーガー!という感じでしょうか。当時は1カットで変形なんてしてないんですが、そういう変形だったように思っているんですよね。それから、映画終盤にはもちろんストロングザボーガーも登場します。
敵であるΣのロボットや幹部も、当時の設定・雰囲気をそのままにリファインされています。特にΣの幹部たちに活躍するシーンを与えているのがいいですね。キャラクターとしての見た目のインパクトが強いにも関わらず、オリジナルではそれほど活躍しなかった幹部たちが活き活きと動いてました。
ロボットも当時、どちらかというとチープな感じがしていましたが、そのチープさを保ちつつリファインされている。特にブル・ガンダーが出てきたときにはちょっとうれしかったです。腕はCGでしたが、本体は当時と同じようにトラックにカバーをかぶせた形で造られていて、そうそう、こういう感じだった!と。
さらにいうとマシン・ホーク。ザボーガーと同じくバイクから変形するという設定を持ちながら、予算の関係で変形できなかったマシンですが、この映画ではきちんとロボット形態に変形します。
この映画は青年期と熟年期の2つに分かれており、その間には25年という月日が流れていることになっています。青年期は、映像自体が1970年代のフィルムっぽい作りになっていて、色調などが意識して古そうに作られています。こういう部分のこだわりもすごい。
そして現代に舞台が移る熟年期。青年期の終盤から始まる、井口監督お得意といってもいいシュールな映像のオンパレード。このあたりのシナリオや映像は、たぶん好き嫌いが分かれるところではないかと思います。個人的にはこれはこれできちんとまとまっていると思うのですが、もっとシビアなリメイクザボーガーも観たかった気もします。どっちがいいんでしょうねぇ。
オリジナル版を観ていた人であれば、懐かしくもあり、さらにパワーアップして生まれ変わった作品として非常に楽しめると思います。しかし、テレビ放送時の雰囲気を漂わせている分、映像としては、たとえば『トランスフォーマー』のような、迫力満点のハリウッド的映像ではないので、そういう映像に慣れてしまっている人たちにどのように映るのか? ザボーガーを観たことがない人たちにはどう捉えられるのか? そのあたりはちょっと聞いてみたいところです。
『電人ザボーガー』は、10月15日から、新宿バルト9ほか全国ロードショーです。
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