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Vol.134 『エンジェル ウォーズ』

エンジェル ウォーズ オフィシャルガイドマスコミ試写にて『エンジェル ウォーズ』観賞。『300<スリーハンドレッド>』のザック・スナイダー監督によるファンタジー系美少女アクション映画。
『300<スリーハンドレッド>』もそうでしたが、ザック・スナイダー監督の作品は独特のビジュアルがありますね。色調を抑えたグレーっぽい映像の中で、カメラが縦横無尽に動き、迫力あるアクションが展開されるといったような。この映画も冒頭のシーンから緊迫感あふれるアングル、カメラワークによる映像満載です。


すでにCMなどが流れているので映像を観た人もいるかも知れません。セーラー服を着た美少女がゾンビやロボット、ドラゴン相手に銃火器、日本刀で大暴れ!という映画……ではあります。要素としても、俗に言うCOOL JAPANをかなり意識したものが詰め合わされている感じです。
監督のイマジネーションを凝縮した空想バトルアクションというキャッチでのセールスを展開していますが、簡単に言ってしまうと監督の頭の中にある妄想を映像化した映画ということになります。ストーリーはきちんとありますし、それぞれにミッションが与えられる構成にもなっているのですが、いかんせんアクションシーンに脈絡がない。
中国の寺のようなところで鎧武者と日本刀で戦ったかと思えば、ドイツ兵のようなゾンビと激しい銃撃戦を行ったり、中世のような城ではドラゴンと戦い、電車に積まれた時限爆弾を止めに行ったり……。それぞれのシーンは迫力がありますし、見応え十分なのですが、突然そういう世界に放り出されてぽかーんって感じ。
その空想の世界以外の現実世界が暗い話の展開なので、アクションシーンになっても観てる側にそれを楽しむ余裕がないといえばいいでしょうか。せっかくのアクション映像なのに、その間の話で少しさめてしまうというか。このアクションシーンが初めに構想にあったのなら、それをつなぐ話はもっと別なストーリーが考えられたんじゃないかなぁという気がします。
予告からはちょっと想像できない話でしたね。5人の女の子たちが活躍するヒロイックファンタジーにしてしまえばよかったんじゃないかなぁと思います。
イメージとしては……『アサルトガールズ』『未来世紀ブラジル』を足して2で割ったような作品と思えばほぼ間違いないかと思います。押井守監督のミリタリー系の作品やテリー・ギリアム監督の作品が好きな人にはいいかも知れません。
『エンジェル ウォーズ』は4月15日から丸の内ピカデリー他で全国ロードショーです。
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