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Vol.114 『大地震』

大地震観賞映画振り返りコラムの44回目は1980年にリバイバル上映で観た1974年製作の『大地震』。日展を観に行った帰りに丸ノ内東映パラス(現在のTOEI(2))で観ました。血縁関係のない(要するに親戚ではない)女性と二人きりで観た初めての映画。女性と観るならもう少し選択肢があるだろうにとも思うわけですが、こういう映画を選ぶあたりが私らしいというか。
この映画は、いわゆるパニック映画と呼ばれるジャンルに属します。1970年の『大空港』を火付け役として、1970年代はパニック映画がとても多かったですね。最近ではディザスタームービーとも呼ばれるようになりましたが、パニック映画は災害に関係のない作品も多く、厳密には両者は違うのではないかという気もします。


パニック映画の最大の特徴は、天災・人災など、極限状態に陥ったときの群像劇、いわゆるグランドホテル方式の映画で、そこに集まった人々の人間ドラマが主体となります。最近のディザスターと違い、その災害に立ち向かうというシチュエーションはほとんどなく、人の力の及ばない災害の中で人々はどのような行動を取るのか?というシミュレーション的な感じと言えばいいでしょうか。
スペースシャトルで隕石を破壊しに行ったり、マグマの中に入っていってコアの活動を制御しようとしたり、巨大な船を造って生き延びる手段を講じたり……ということはありません。災害に対して無力でありながらも懸命に生きようとする姿を描く。パニック映画はそういうジャンルですね。
さて、作品に関してですが、主演はチャールトン・ヘストンで、関係が冷めてしまっている妻役をエヴァ・ガードナーが演じています。二人とも名優・名女優と呼ばれる方ではありますが、この映画の主役は少々つらい感じがしました。襲い来るマグニチュード8の大地震の中を生き延びる人々の姿を描くなら、もう少し若い人でないといけなかったんじゃないでしょうか。
この二人と、ヘストンが面倒をみている若い未亡人の3人の関係が軸になるわけですが、そこでヘストンが取る行動の説得力が欠けてしまう感が否めませんでした。いかにもという感じもするのですが、どこか腑に落ちない、納得できない脱力感で映画が終わったという印象でした。マリオ・プーゾの脚本が悪いとは言わないのですが、この話にこのキャスティングではなかったのではないかなぁと。
見どころとしては地震のシーンになるわけですが、この特撮が今一つという雰囲気。公開当時はよかったのかも知れませんがリバイバルということで後で観たこともあって、この程度かというのが素直な印象。すでに『スター・ウォーズ』などのSF大作を観てしまった後だったのが敗因でしょうか。
あとこの映画の売りとして、センサラウンド方式という音響システムがありました。通常の音に加え、人の耳に聞こえない低周波で空気を振動させて地震を体感させるという仕組み。私はそれほどその効果は感じませんでした。何か、映画館の上を車が走ってるのかな?という感じがしましたね。ただ、DVDなどで5.1chがありますが、あの重低音を響かせるのとは少し違う感じでしたし、たぶん映画館でしか体験できないんだろうなという気はします。
総合的には、初めて経験するシステムがありながら、そこに驚きがなかったという点、ドラマとして納得できなかった点など、少々不満が残る映画でした。
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