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Vol.112 『レポゼッション・メン』

ブロマイド写真★ジュード・ロウ/白黒・写真家名付きマスコミ試写にて『レポゼッション・メン』を観賞。ジュード・ロウ主演の近未来SF作品。
今から20年後。ユニオン社の人工臓器が広く普及し、人々は長寿を得ていたが、高額なローンが払えない人々も現れる。それらの人から人工臓器を回収するのが主人公たち回収人(レポメン)。ジュード・ロウが演じるレミーはトップクラスの回収人だったが、事故により人工臓器をつけることになり……。追う立場が追われる立場になり、レミーはある決断を下すのだった……。


ジュード・ロウの肉体美とアクションを堪能できるアクションサスペンス映画という表現がぴったりの作品。人工臓器の回収というのはその人の死を意味します。しかし本人は合法的な仕事をしているだけなのでそれに対する罪の意識はなく、事務的に淡々とこなしており、その行為に眉一つ動かさない。そういった非情な行動も、あのジュード・ロウのマスクがあって初めて完成するといっていいかも知れません。
その回収シーンはえらくリアルに作られていて、想像していたよりもグロかったです。R15+の指定となっていることでもわかりますが、その手の映像が苦手な人にはあまりオススメできません。腹を切って、手をつっこんで、中にある人工臓器を取り出す……こういうシーンが連続します。
回収する人間と逃げる人間の戦いというアクションシーンでは、様々な格闘技に通じたアクションが見られ、これまでに作られた近未来アクション映画に決してひけをとらない出来になっていると思います。しかし、個人的にはどうものめり込めませんでした。
近未来SFというのは夢の世界ではなく、当然のことながら現代からすぐ後につながっている世界が描かれるわけです。つまり、現代の続きとしてその世界があってもおかしくないとか、こういう世界になっていても不思議ではないなというところに説得力がなければなりません。それを感じられないためにどうも入り込めなかった。
近未来SFの手法としては一つ、核戦争が起こった後という設定の映画があります。これは現代文明が崩壊した後になるので、いくらでも違う世界を設定することができます。しかし『レポゼッション・メン』のように、あくまで20年後という設定の場合には、現代文明の進化した形とか、発展・衰退した形での世界観を作らなければなりません。
そこを感じさせるキーワードが人工臓器の普及ということになるわけですが、いくらローンが払えなかったからといって、一企業が強制的にそれを回収し、その人を死にいたらしめることが合法的に行える世の中というのはどうでしょうか? そんな未来がきてほしくないという気持ちの前に、ありえないという感情が先に立ちます。
中世とか、力や財力が物を言う時代ならともかく、21世紀の先進国で、金がない人は死んでも仕方ないという、しかもそれが単なる一企業がその生殺与奪の権利を握るなどという時代がくるとは思えないんですよね。その最初の設定に説得力がないために、全体的に絵空事になってしまっている気がします。
また、回収する人間が回収される側になり、そのあたりの心情の変化・対比といったものを描きたかったのだと思うのですが、その後の行動もどうも身勝手な感じがして感情移入できず……。アクションシーンががんばってるだけに、こうしたドラマ部分の違和感がちょっと残念です。
『レポゼッション・メン』は7月2日からTOHOシネマズみゆき座ほか全国ロードショーです。
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おすすめ平均
stars待っていたのですよ
stars浮かび上がるのは人間の身勝手さ
starsああ、何と哀しい映画
starsキャラクターが薄い・・・
stars途中までは新たな傑作の誕生を予感させるが、ラストには違和感が残る

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