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オバマ大統領も発言! 米に波紋が広がる不法移民取締法から見る『闇の列車、光の旅』

アリゾナの不法移民取締法がアメリカで波紋!
大規模なデモが起こり、オバマ大統領が発言!!
《2009年サンダンス映画祭 監督賞 撮影監督賞受賞》
『闇の列車、光の旅』
「不法移民」はどうしても先進国が抱えてしまう問題です。
日本にもこれからますます関係ある彼らの実態をぜひこの作品で知って欲しい。
ピーター・バラカン(ブロード・キャスター)
5月1日、米西部アリゾナ州で、不法移民の摘発強化を目的とした移民法が成立。警官が外見などから不法移民と疑うに足る合理的理由があれば逮捕ができるとした州法にヒスパニック系市民から「人種差別だ」と批判の声が上がり、ホワイトハウスや連邦議会を巻き込む動きに発展。オバマ大統領は「見当違いだ。人権侵害につながる可能性がある」と批判。全米に波紋を呼ぶニュースとなりました。


広がる反発
・ロサンゼルスの5万人をはじめ、全米各地で10万人以上がデモに参加
・メキシコのカルデロン大統領も「憎しみや差別を助長するだけ」と批判し、近く予定しているオバマ大統領との会談で問題提起する意向だ
「現代のゲシュタポ」 波紋広げる移民法強化 背景に不法入国者の増加
 米国全土にいるとみられる不法滞在者は約1,100万人。
 このうちアリゾナ、テキサスなど3州だけで全体の約42%に当たる470万人を占める。
 麻薬密輸事件に絡んだ誘拐事件は昨年1年間で267件発生。
 国境警備警察に対する襲撃件数も2008年は前年に比べ46%増の1,097件に上った。
 移民が米社会の労働力を担っているのは現実。
もはや日本も他人事ではない!
 今だから知らねばならない!!
 映画を通して知るリアルな移民社会
移民を受け入れている国や労働者を送り出している国では、多くの移民に関する、その存在について考えさせられる映画が作られていますが、日本ではなかなか紹介される機会が少ないという現実があります。しかし、本年度は『クロッシング』(“脱北”の実態を、多くの証言をもとに描く)、『フローズン・リバー』(国境を舞台に、越境者を手助けする女性2人を描くドラマ)などの映画が相次いで公開、スマッシュヒットを記録。先のオバマ大統領の発言もあり、日本国内でも移民問題が注目されはじめております。
このタイミングで、中米の移民の実情を描いた新作映画『闇の列車、光の旅』(09年サンダンス映画祭監督賞受賞)を6月19日に公開することとなりました。ただ「生きるために」命をかけ、ホンジュラス、メキシコからアメリカを目指す人々を描く物語。日本にいれば当たり前のように過ぎていく日常の出来事1つ1つが、「生きるか死ぬか」というレベルの危険を伴ってしまうという現在の中米情勢が若い男女2人の過酷な旅を通すことで、より鮮明に描き出されます。
本作は日本にゆかりのある日系4世キャリー・ジョージ・フクナガによる長篇初監督作品。実力を認められアメリカのメジャースタジオと契約を結んだ実力派です。
日本では、約220万人、190カ国からの外国人が生活、訪れる外国人も年間900万人を超えております。政府は、少子高齢化対策のために、移民としての外国人受け入れの検討を始め、移民を受け入れるとは、どういうことなのか?を今一度考えなければならない時期に来ています。
本作は移民についての賛否を描いた映画ではありません。しかし移民の現実を監督の綿密なリサーチによってリアルに描いた衝撃のドラマです。
●監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
「ホンジュラスからメキシコを経由、2つの国境を越えてアメリカを目指す移民たちが、たったひとつの列車の屋根の上に約700人も乗っている」という事実を知った時、興味を持ち映画にしたいと思いました。
リアリティを追求するため、実在のギャングメンバーに取材し、移民たちと同じ列車の屋根に登り、彼らと何度も同じ旅をしました。その経験を基にこの映画『闇の列車、光の旅』を作り上げました。
なぜ彼らは危険を冒してまで国境を越えようとするのか。ホンジュラスでは1日あたりの平均所得が45リンピラ(1リンピラ=6.18円)に対し、牛乳1本の値段が15リンピラします。つまり、経済が破綻しているからなのです。彼らと話をする中で、移民問題に対して私が新たに気付いたことがひとつあります。それは誰しもが「アメリカに行ったからといって、本当に幸せになれるかどうかはわからない」という現実を知っていること。事実、無事アメリカに入国できたものの失望して帰ってくる人たちもいるし、差別的な扱いを受けている場合も多い。私はこの作品を通して移民問題の賛否を問うているわけではありません。しかし、ご覧いただいた方には映画を通して彼らの人生を経験し、そこにある問題について考える機会となればうれしいです。
●石井宏明(NPO法人難民支援協会事務局長代行)
アメリカへの移民数は年間88万人だが、比べて日本が受け入れている数は4~50人ほどです。日本ではわずか2年前に“移民政策学会”が立ち上がったばかり。先ずは受け入れ数の絶対的な違いについて、原因を考え、対策を講じなければならないと思っています。
そして「日本人にとって移民は疎遠である」とよく言われますが、「よりよい生活、実力を発揮できる場所を目指して外国に発つ」という「“移民”という言葉の定義」を基に考えると、実は、イチローや松井も“移民”と解釈できるのではないでしょうか。
とにかく、この映画を通して、日本は勿論のこと世界で「生きるために死ぬ思いをしなければならない」人たちが数多くいることを知っていただきたいと思っています。
(キャリー・ジョージ・フクナガ監督来日記念 “映画を通して語るグローバルな移民問題”シンポジウム付試写会より)
●『闇の列車、光の旅』作品概要
ホンジュラス、メキシコからアメリカへ?
国境を目指す移民の少女とすべてを失った少年の美しくもはかない魂の触れ合いに心震える。
ホンジュラスに住む少女サイラ。よりよい未来を求め父とアメリカを目指すことにした彼女は、移民たちがひしめきあう列車の屋根の上で、カスペルというメキシコ人少年と運命の出会いを果たす。彼は、強盗目的で列車に乗り込んだギャングの一員だが、サイラに暴行を加えようとするギャングのリーダーを殺しサイラを救う。裏切り者として組織から追われることになったカスペルと、彼に信頼と淡い恋心を寄せ、行動を共にするサイラ。命がけで二人は国境を目指すが・・・。無垢な少女と居場所も何もかもを失ってしまった少年の魂の触れ合いが熱く胸を打つ、感動のロードムービー。
私たちにもひとごとではない
中南米社会の“衝撃的な真実”を映し出すリアルなドラマ
本作の出発点は、フクナガ監督の短編「Victoria para Chino」(2004)。トラックに閉じ込められたまま放置された不法移民の窒息死事件を題材にしたこの作品は、サンダンス映画祭をはじめとする複数の映画祭で賞を受賞し、フクナガに長編デビューのきっかけをもたらした。そのさい、移民のテーマをさらに深く掘り下げようと決意したフクナガは、メキシコのチアパス州に滞在。シェルターの移民たちにインタビューし、刑務所にいるギャングを取材。さらに、自ら列車の屋根に乗り込み、移民の足跡をたどる旅を三度にわたって経験した。
その身体を張ったリサーチが、作品のディテールとして生きていることはいうまでもないだろう。映画を通じて、私たちは、列車の屋根で移動する移民たちの過酷な現実を知り、12歳の無邪気な少年を凶暴な殺人者に変貌させる実在のギャング組織の恐るべき実態を目にすることになる。アカデミー賞候補になった『シティ・オブ・ゴッド』『そして、ひと粒のひかり』がそうであったように、物語の中に中南米の“今”が息づいている本作は、社会派ドラマとしても超一流の輝きを放っている。
監督:キャリー・ジョージ・フクナガ(長編初監督)
製作総指揮:ガエル・ガルシア・ベルナル/ディエゴ・ルナ/パブロ・クルス
キャスト:パウリーナ・ガイタン/エドガー・フロレス
原題:Sin Nombre 
2009/アメリカ・メキシコ/シネマスコープ/ドルビーデジタル/スペイン語/96分/PG-12
(C)2008 Focus Features LLC. All Rights Reserved.
『闇の列車、光の旅』
6月19日(土)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー!
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