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Vol.105 『ブロンコ・ビリー』

ブロンコ・ビリー観賞映画振り返りコラムの41回目は1980年に観た『ブロンコ・ビリー』。丸ノ内ピカデリーの地下にあった丸ノ内松竹で観賞。
この頃、毎年正月映画に新作が登場していたクリント・イーストウッドの作品がめずらしく夏に公開され、しかも久しぶりに西部劇!と楽しみに観に行ったら……西部劇じゃありませんでした(^_^;) 今みたいに情報があふれてる時代ではなかったので、スチールだけで西部劇と思いこんでいただけなのですが、イーストウッド作品としてはめずらしいラブコメです。まあイーストウッド流ラブコメというほうがいいかも知れませんが。


かつての開拓時代の様子をショーとして全国を巡業する「ワイルドウエストショー」。その一座のリーダーがイーストウッド演じるブロンコ・ビリー。そこにひょんなことから加わることになったのが莫大な遺産を相続することになっているお嬢様リリー。それまでの環境の違いからぶつかるビリーとリリーだったが、いつしか惹かれ合うようになり……。
イーストウッドが演じるビリーはまさに西部の男といった感じ。余計なことを語らず、感情表現が苦手なタイプ。しかし、実に仲間思いで、子どもたちからも尊敬されている存在。リリーを救うためにつかまってしまった仲間を釈放するためだったら、それまで懸命に貯めていたお金を出したりすることは全然いとわない。どこかアナクロで、本当に不器用な男といったらいいでしょうか。
これまでの作品でも、どこか寡黙な男を演じることが多かったですが、その合間合間に、寡黙な男という設定だからこそ生まれる笑いがあり、それを集約したのがこの作品という感じもします。
途中、火事によって家財の一切を失ったビリーが列車強盗を計画し、実行するシーンがありますが、ここはけっこう笑えます。時代錯誤も甚だしいというか、あぁ本当に西部の時代は遠くなったんだなぁという郷愁が漂うこのシーンは、イーストウッドなりに西部劇というジャンルの終わりを示した、そんなふうにも見えました。
そんなアナクロでちょっと粗暴に見えるビリーに惹かれていくリリーという設定は、『夜の大捜査線』のように、どこか相容れない存在である二人が対立しながらもお互いのことを認め合い、友情を築いていくというそういう映画の設定に近いかなと思います。最初は双方で反発しているのにいつしか……という展開はよくありますよね。
ビリーはビリーで転がり込んできたリリーに対して特にどうとも思っていないかのように振る舞っているのに、実は……みたいな。男同士ではなく、男女なのでそれが友情ではなく愛情になるわけですが。
このビリーという男。イーストウッドがこれまで演じてきた役の中でもとても人間味にあふれるいいキャラクターだったと思います。このキャラクターを使った他の話も観てみたかった気がしますね。作品としてはなんら身構える必要なく、気楽に観られる作品です。
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stars荒唐無稽もここまでやれば芸術
starsウィル・スミスは大好きなのですが・・・

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