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Vol.71 『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』

仮面ライダーディケイド&平成仮面ライダーシリーズ10周年記念公式読本楽天地シネマ8にて『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』観賞。『仮面ライダーディケイド』の完結編と『仮面ライダーW』の始まりの話を描き、さらに両者をドッキングさせた話の3部構成で描かれた作品。
まずはディケイドですが、TVシリーズ最終話がなんとも中途半端なところで終わってしまった感は否めず、その後の話を今回劇場版として制作したことにより、ようやく話として完結したという感じでしょうか。あの終わり方はやはり続きが気になる終わり方でしたからね。


夏の『仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』に続き、「イカでビール」健在!……じゃなくて、昭和の仮面ライダーを含めた多数のライダーたちが登場。また昭和ファンにはうれしい蜂女、ゾル大佐、タックルの復活などのほか、新たに仮面ライダーキバーラが登場と、盛りだくさんの映画となっています。
ほかにもザンジオーやヒルカメレオンといった怪人の復活は個人的にうれしい画でした。映画オリジナル怪人だったザンジオー、ブラック将軍の正体だったヒルカメレオン。どちらもデザイン、存在感ともに抜群。ただ、再生怪人の宿命で……弱い(^_^;)
それはともかく、今回、ライダーたちの戦いが描かれたライダー大戦の決着に加え、スーパーショッカーを登場させたことで少々話が散漫になってしまったようにも感じました。夏のときは久しぶり感も手伝いましたが、今回はそういった意味での新鮮味もありませんでしたし、必ずしも必要だったかどうかは疑問符がつきます。
逆にライダー大戦やその後の話をスーパーショッカー抜きできっちりと描き、ディケイドの最後の話としてまとめたほうがよりよかったかも知れません。とはいえ話自体はきちんと完結されていますし、ディケイドらしさもあるし、何より士たちの旅の終わりを観られるので、ディケイドの物語に終止符を打つためになくてはならない話だったと思います。
続いてWですが、なぜ二人が仮面ライダーWになったのかという、TVシリーズの前の話が明らかになります。おやっさんとして吉川晃司さんが登場し、仮面ライダースカルになるのが1つの話題。これがまあかっこいい役で、まさにハードボイルド。「撃てるのは撃たれる覚悟があるやつだけだ」とどこかで聞いたことのあるセリフなどもありますが、とにかく渋い。主役2人が完全にかすんでました。
フィリップの名前の由来も明らかになりますが、これがちょっと驚き。ネタバレになってしまうのであえて書きませんが、そうか、そういう由来だったのか!と昔の映画を観ている者としては思わず、おぉっ!というネタでした。
新フォームとなるファング・ジョーカーも登場しますが、これはTVシリーズに先駆けての登場ということでまずはお披露目というところでしょうか。それほど活躍シーンがあるわけではなく出番終了(^_^;)
これら2つの話が結合する形で最後にMOVIE大戦となるわけですが、これはあくまで蛇足。ライダーの競演というのは確かに観たい画ではありますが、観客が期待する二人のライダーがスクリーンに一緒に登場するシーンというのはあくまでそこに必然性があってのことだと私は思います。主役がピンチに陥ったときに助けにくるとか、あらかじめそこにいたる過程がきちんと描かれているとか、自然な形でならともかく、ここをつなげる必要がはたしてあるかどうか。
個人的にはWとディケイド、それぞれの話をきちんと描き、この部分の尺はディケイド編の決着をつけるために使ったほうがよかったのではないかと。Wをからませなければ他ライダーに時間が使えるわけで、夏のようにそれぞれのライダーの見せ場を1つでも2つでも増やしたほうがうれしかったかも知れません。
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