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Vol.66 『銀河鉄道999』

銀河鉄道999観賞映画振り返りコラムの22回目は1979年公開の『銀河鉄道999』。前年の『さらば宇宙戦艦ヤマト』と同様、公開初日に浅草東映パラスにて観賞。
松本零士原作のコミック『銀河鉄道999』は当時、雑誌に連載中でしたし、テレビアニメ版も並行して放映されており、映画としてどのようにまとめるのか?が気になっていましたが、原作のエピソードのいくつかを主軸にしながら、コミック・テレビアニメでまだ観ぬ結末が破綻なく、しかもサプライズ付きで用意されていました。


映画を観る前は、どうせ星野鉄郎の冒険物語をいくつかつなげて、旅はまだまだ続くといったような形で収めるのだと思っていたので、終着駅とされる機械の体がタダでもらえる星に話がたどりつくとは思っていませんでした。作中、その終着駅の名前が告げられたときの衝撃は未だに覚えています。
物語としては、機械の体になるという目的で999号に乗り込んだ鉄郎が、様々な星で出会う人たちによって少年から青年に成長していく過程を描いた秀作となっています。原作に登場するクレアやアンタレスといったキャラクターのほか、キャプテンハーロックやクイーンエメラルダス、トチローといった松本キャラが総出演で物語を盛り上げますが、あくまで主役は鉄郎とメーテル。
ハーロックらが登場するということで、少々食われてしまうのではないかと思っていましたが、きちんと鉄郎をフォローし、見守る役割を担っており、配役としてこれ以上ないキャスティングでした。男を論ずるハーロックの渋さはすばらしかったです。
機械伯爵をはじめとする、冷酷な機械人間たち。初めは機械の体を望んで999に乗った鉄郎でしたが、旅を続けるうちに気づく、限りある生のすばらしさ。人は必ず死ぬ。死ぬからこそその一瞬一瞬を大事に生きようとするのだというメッセージがひしひしと伝わってきます。
絵のクォリティ、動きのクォリティもよかったですね。ハーロックのアルカディア号はテレビシリーズと違うデザインになっていました。個人的にはテレビ版のアルカディア号のほうが好きなのですが、この映画での活躍の仕方を考えると、その重量感を増したデザインがはまってましたね。
あと、なんといっても歌がよかった。地球から出発するときの「テイキングオフ」、エンディングの「銀河鉄道999」。どちらもゴダイゴの歌ですが、これがシナリオに合わせて書いたのではないかというぐらい歌詞が映画にあっていました。
エンディングでは、おなじみの「いま、万感の想いをこめて汽笛がなる……」のナレーションの後にすっとイントロが入り、映画が始まったときに比べてはるかに成長した鉄郎の姿とともに幕が下りる。見終わった後の心地よい感動とその余韻にひたれる、とてもいいエンディングでした。
数々の劇場版アニメがありますが、この作品はアニメ映画史上に残る名作です。
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