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Vol.59 『金田一耕助の冒険』

金田一耕助の冒険観賞映画振り返りコラム19回目は1979年公開の『金田一耕助の冒険』。有楽町のスバル座で1人で観賞。
東宝の『犬神家の一族』から始まった横溝正史のブームは他の映画会社をも巻き込んで次々と長編が映画化されましたが、この年に公開された金田一耕助最後の事件となる『病院坂の首縊りの家』で一段落という雰囲気が漂っていました。そこに登場したのがこの映画。しかも金田一耕助役にはテレビの『横溝正史シリーズ』で金田一を演じた古谷一行さんが抜擢されているとのことで、これは観なくては!と映画館に足を運びました。


前にも書きましたが、古谷さんの金田一耕助がイメージとしてはいちばん合っていると思っています。『横溝正史シリーズ』は毎週欠かさず観ていましたし、古谷金田一がスクリーンで観られるというのがとてもうれしかったです。
が、本格的ミステリー映画ではなく、様々な映画などのパロディがふんだんに盛り込まれたコメディに近い話。もちろん金田一耕助の話なので、殺人事件も起きるし、謎解きもありますが、そこに意味のないパロディが散りばめられているために全体のストーリーがぼやけてしまっていて、推理小説としての楽しみ方は難しい感じでした。
金田一耕助という人物への疑問などをセルフパロディにして、金田一作品の読者や映画を観ている人たちへの一つの回答としてこの映画が提示されたのではないかというのが、ラストシーンでの金田一の熱弁でよくわかります。このラストシーンの金田一のセリフはいろんな意味で名セリフ。
それゆえに、そこまでもってくる下りがもったいない。コメディとしてみれば笑えることは笑えますが、はたしてその笑いが必要か?というと、個人的には不要と思います。ましてや当時の映画の宣伝コピーなどをパロっても、その時はわかるかも知れませんが後々なんのパロディだかわからなくなり、ただジャマなだけのシーンになりかねません。
そういったコメディ要素を除いたまじめな作品として作っていたらもっといい映画になったような気がしますね。大林宣彦監督の作品としては非常に残念な気がします。
→『金田一耕助』の記事を探す
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