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Vol.51 『銀河鉄道999』(HDリマスター版)

銀河鉄道999新宿バルト9で行われた「銀河鉄道999映画祭」最終日に『銀河鉄道999』HDリマスター版観賞。Blu-rayの発売と劇場公開30周年の記念上映イベントで深夜2時からの上映というのに満席でした。席数が70弱しかなかったからかも知れませんが。
この映画は1979年8月4日公開初日に観ましたが、あれから30年ですか。半分仕事とはいえ、この映画を再び(正確には1979年年末のアンコール上映を含めて3回目)スクリーンで観ることになるとは思っていませんでした。本来であれば振り返りコラムで書くべきなのですが、そちらがまだ1978年の映画で止まっていて本作までたどりついていない(こちらも早いとこ進めなきゃ(^_^;))ので、内容などは追ってそちらで書くとして今回はHDリマスターという点を中心に書くことにします。


1970年代以前の映画、特にアニメに関しては、いま見返すと技術的な部分で古さを感じてしまうことがあります。それは、劇場版アニメがどうしてもテレビの延長線上でしかなく、テレビ用に作ったものを焼き直したり、ダイジェストにしたりという形が普通だったためだと思われます。しかしこの『銀河鉄道999』は、前年に放送が開始されたテレビ版とは別に作られ、はじめから劇場用に作られた作品なのでそのクォリティはかなり高かったです。
それでも30年前の作品ということで、HDリマスターしたとしても多少なりとも古さは隠せないだろうと思っていましたがまったくの杞憂であっただけでなく、その演出や構成力の高さは最近のアニメの比ではないことを再認識しました。これはりんたろう監督や監修として参加した市川崑さんの力によるところが大きいと思います。
カメラアングルやモチーフの位置、無音の使い方など、実写映画ではごく普通に用いられる演出方法が取り入れられている点がこの映画のすごいのところ。公開当時は経験不足もあり、まだまだそういった視点で観ることができませんでしたが、いま改めて観て、30年前にここまでやっていたのかと驚いたり、こんな表現方法を採っていたのかと新しいことに気づかされたりするのがすばらしいです。
30年前の公開時に観たときには、絵のブレがすごく気になったのを覚えています。少し早い動きのあるシーンだと線がブレながら動くというのがよくありました。あれはフィルム上映だからなのか、映写機の問題なのかよくわかりませんが、どこの映画館で観てもそのように見えるので、それが普通のことなのだと思っていました。しかし今回の上映はDLPで行われたためかそのようなことはいっさいなく、あのブレはやはり何かの問題で当時は抑えられなかっただけなのだとわかりました。
さらにHDリマスターされたクリアな画質によって、フィルム公開時にはぼやけていたようなものまでくっきりと見え、その奥行き感やそこにある空気まで伝わってくる感じ。この映画で初めて使われた透過光も、全体がクリアな分、さらに効果的でしたね。
あと、今回のリマスターでいちばんよかったと思うのはなんといっても音ですね。公開当時の技術ではせいぜいステレオ、あちらこちらに音を割り振って4ch以上で音を飛ばすといったことはできなかったのでこれが疑似とはいえ5.1ch化されているのがとてもよかったです。DVDですらモノラル音声でしたし。
まあ、あくまで疑似なので、現在のデジタル音声のように縦横無尽に音が飛び交うというところまではいってませんが、999の走る音、アルカディア号の飛行音などはとても重厚感があり、絵と合わせてとても迫力あるものになっています。
元々名作であることに加え、クリアな絵にこの迫力のある音が追加され、さらにいい作品になったのではないでしょうか。手描きが消え、コンピュータで作ることが普通になったアニメですが、コンピュータではできない重さ、質感がこの映画にはあり、なんでも新しければいいということではないなぁと思いました。
そうそう、今回この映画を観たことがないという部下を連れていったのですが観終わった後こんなことを言うんです。「1ヵ所、音がおかしかったですよね?」って。おかしいところあったかなと思って聞くと、トレーダー分岐点の酒場のシーンで鉄郎がマスターに機械伯爵について尋ねたシーンだと言う。機械伯爵の名前が出たために周りの会話がなくなり、鉄郎に注目が集まるシーン。何がおかしかった?と聞いたら……
「みんな黙ってるのに同じ音楽の同じフレーズが何度も何度も繰り返されて……」
とのこと。そのセリフが周りに与えたインパクトを表現するためにレコードが飛んで同じところを繰り返し再生するところかぁ。レコードの針が傷などで何度も同じところにいって音が繰り返されるという、昔だったら当たり前にあったことを知らないわけです。30年前には誰も疑問に思わなかったことですが、生まれたときからCDとか、これからはさらにメモリで聞くのが当たり前という世代になるわけです。レコードなんて知らない、針を落とすって何?と……。この話をしたとき、時間の流れというものを感じました……(-_-;)
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