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『ザ・バンク 堕ちた巨像』映画評

4月4日公開『ザ・バンク 堕ちた巨像』
トム・ティクヴァ監督の国際犯罪サスペンスは、大陸を股にかけた壮大なアイディアと素晴らしい構成で、観る人すべてを魅了。豪華で、強烈で、ハラハラさせる。
Hollywood Reporter
何と言っても、この映画のスターは、ニューヨークのグッゲンハイム美術館とイスタンブールのグランバザールだ。クールなアクション・シーンを、一層際立たせている。
Entertainment Weekly
誰もが楽しめる、素晴らしいサスペンスだ!
Larry King
「私たちを支配しているのは、政治ではなく、銀行なのだ」と、まさに今の時代を映し出す、緊迫感あふれるサスペンス!
Stephen Rebello – PLAYBOY


素晴らしい、最高級のサスペンス! 近年の映画ではなかなか出会えない、洗練された知性がほとばしっている。
Shawn Edwards – FOX-TV
森永 卓郎(経済アナリスト)さんコメント
金融の裏の顔が描かれている映画
金融は二つの顔を持っている。表の顔と裏の顔だ。表の顔は、資金を集めて、それを事業運営や投資の資金として融通する堅気の顔だ。一方、裏の顔は、集めた資金を使って、手段を選ばぬ収益獲得に走るハゲタカの顔だ。かつては、大部分の金融ビジネスが堅気の顔をしていた。金融の中心であった当時の銀行は、預金者から資金を集め、それを企業に融資することで産業を育成し、結果として国民生活を豊かにした。同時に、資金を提供した預金者にも、それなりの利息収入をもたらした。
状況が変わったのは、金融ビッグバンが行われた1980年代半ばからだった。市場原理主義経済の浸透で経済が弱肉強食になり、一部の富裕層の手元に豊富な資金が集まるようになった。しかし、富裕層は普通の預金に満足しなかった。低成長経済への移行に伴って、預金に十分な金利がつかなくなったからだ。高い利回りを求める富裕層は、金融業に依然として高い利回りを要求し続けた。それに呼応するように、金融業は裏の顔を拡大していったのだ。
インターポールの捜査官、サリンジャーが国際業務を展開するメガバンクの不正取引を知り、正体を暴こうと奔走する。だが、証人は次々に消され、サリンジャー自身も命の危険にさらされる。もしかしたら、この映画のストーリーは、金融を知的で上品なビジネスと思いこんでいる人には、少々違和感があるかもしれない。しかし、それは金融の裏の顔に接していないからだ。裏で行われている金融ビジネスは、金銭に対する飽くなき強欲を満たすために、知的な暴力、破壊、略奪、殺戮が日常茶飯事で繰り返されている。普段は、それらの行為はカネに向けられているが、人間に向けられることも、さほど珍しいことではない。裏の顔の金融ビジネスは、「法律を犯さない範囲で何でもやる」と誤解されているが、正確には「捕まらなければ、何でもやる」というのが正しい。当然、そのなかには殺人も含まれるのだ。
それでは、何故そうした金融業の闇の実態が広く知られることがないのか。それは、裏の金融業は、互いに騙し合い、奪い合うにもかかわらず、自分たちの正体を外に漏らすことだけは、決してしないからだ。そんなことをすれば、自分たちの世界を失ってしまうことを彼らは深く自覚している。また、正義のために、闇の実態を暴こうとしても、それが実現しないもう一つの理由は、権力者もまた彼らの仲間であることが多いからだ。権力者もお金が好きなのだ。
だから、金融の裏の顔を人々に知らせることができる唯一の方法は、実名を出さずに描くということしかない。この作品は、もちろんフィクションだ。しかし、この映画で描かれている本質は、紛れもないノンフィクションなのである。
ストーリー
追い詰める側が追い詰められていく、究極のスパイラル・サスペンス。
世界の富裕層から莫大な資金が集まる、欧州を代表する巨大銀行IBBC。しかし、その取引には、ある違法行為の疑いが……。ニューヨーク検事局のエレノア・ホイットマンと共同で捜査に乗り出した、インターポール捜査官のルイ・サリンジャー。ベルリン、リヨン、ルクセンブルク、ミラノ、ニューヨーク、そして、イスタンブールへ。次々と消されていく証人や証拠に翻弄されながら、彼らの追跡は国境を越えていく。世界屈指のその銀行の資金は、いったい何処へ流れているのか。核心に近づくたび断ち切られる、真相解明への糸口。サリンジャーは、強大な権力をまとったメガバンクに、一人で立ち向かう決意をする。そして、真実を暴くため、彼は法の枠さえ越えようとしていた─。
監督: トム・ティクヴァ(『パフューム ある人殺しの物語』『ラン・ローラ・ラン』
脚本:エリック・W・シンガー
出演: クライヴ・オーウェン(『エリザベス:ゴールデン・エイジ』『シューテム・アップ』『キング・アーサー』)、ナオミ・ワッツ(『イースタン・プロミス』『キング・コング』『21g』『ザ・リング』『マルホランド・ドライブ』)、アーミン・ミューラー=スタール(『イースタン・プロミス』、『シャイン』)、ウルリヒ・トムセン(『ある愛の風景』)
原題:THE INTERNATIONAL/全米公開:2009年2月13日/上映時間:1時間57分

http://www.sonypictures.jp/movies/theinternational/

『ザ・バンク -堕ちた巨像-』
4月4日(土)、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー!