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Vol.9 『デス・プルーフ in グラインドハウス』

デス・プルーフ in グラインドハウスクエンティン・タランティーノ監督の最新作『デス・プルーフ in グラインドハウス』を観賞。仕事関連で特別観賞券をいただいたのがなんと公開終了前日! その日のうちに観に行きました(^_^;)


考えてみたらタランティーノ作品を観るのは初めて。以前、『シン・シティ』の完成披露試写を観に行く予定をしていたのに仕事の関係で行けず、結局観ずじまいになってしまってから縁遠くなっていました。なので、どういう演出をするのかも知らず、本作品についてもまるっきり前知識なく観ることになりました。
この作品を観て感じたのは、ディープだなぁ~ということ。若い人達や、たまにしか映画を観ないとか、話題作しか観ないという人にはこの作品のこだわりはわからないんじゃないですかね? 逆に「私はこんなことまで知ってるんだぞ!」という蘊蓄を話したい評論家にはもってこいの作品かも知れません(^O^) 「このシーンは○○という映画のオマージュで……」などという文章を書く評論家にはぴったりです。
どういう部分のこだわりかというと、昔のB級映画と呼ばれる低予算の映画を手間暇かけて再現している点です。フィルムにわざと傷を入れたり、音飛びさせたりといった画面効果はもちろん、画面の色合い(まるで西部劇全盛のころの、青い空ばかりが強調されるようなフィルムのみたいでした)などもまさに1970年代のB級映画を観ている感じ。浅草の二番館、三番館でオールナイトで映画を観たことをふと思い出しましたね。
ストーリーとしてはスプラッター映画のような展開というべきでしょうか。『13日の金曜日』のようなイメージだと思えば間違いないですね。若い人達がバカな話をしているのどかなシーンが一転して恐怖に変わる……。そのギャップをどう表現するかというところが難しいわけですが、この部分の演出がすごかった。
若い女の子達の、まあ言い方は悪いですが下品な会話を延々続けて撮る。あるシーンなんか1ロールカットなしで撮影していたりします。しかもその会話の内容がどうでもいい話の連続だったりするわけです。この脚本を書くのもたいへんですが、演じてる人もたいへんです。観ている側にはまったく緊迫感がないわけですが、ちょっとでも間違えば最初からやり直しというプレッシャーがありますからね。
それはさておき、その、まったく緊迫感がないシーンの後に手に汗握るカーチェイスが始まるわけです。この差がすごかった。昔は当たり前だったカースタントも、いまはCGや高速カメラを使って作る、悪く言えば偽物が多いわけですが、この映画では本物の迫力が伝わるチェイスシーンになっていました。カメラがわりと下からあおる感じもあり、スピルバーグのデビュー作である『激突!』のような迫力がありました。
なんか久しぶりに本物観た!って感じ。これこれ、カーチェイスといったらこうだよ!っていう感じでしょうか。このチェイスシーン、撮影するのにかなりの時間がかかってるんでしょうねぇ。それをきちんと連続した時間として違和感なくつなげている編集もすごかったです。
それにしてもカート・ラッセルもいいおじさんになっちゃいましたね。『ニューヨーク1997』のスネークの雰囲気を持ちつつ、バート・レイノルズのようなひょうきんさを併せ持つ、そんなキャラクターをうまく演じていたと思います。他の出演者はよく知らなかったのですが、シドニー・ポワチエの娘や、シェリル・ラッドの娘(アラン・ラッドの孫とも言う?)なども出演していました。
内容としては最初に「こだわりがわからないんじゃないか?」と書いたように万人向けとは言えないと思いますが、B級映画のおもしろさがわかる人にはいいと思いますね。素直な感想としては……昔のアメ車ってじょうぶだったんだなぁという結論にたどりつく映画でした(^_^;)


このコラムは2007/9/22にゴルフブログ「振り向けばカジュアルウォーターIII」に掲載されたものです。


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