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Vol.226 『牙狼<GARO>-GOLD STORM-翔』

完成披露試写にて劇場版『牙狼<GARO>-GOLD STORM-翔』を観賞。雨宮慶太監督による特撮シリーズ『牙狼<GARO>』の、道外流牙の物語の続編。
ホラーを倒しながら旅を続ける流牙と莉杏。多くのホラーとの戦いで溜まった邪気を浄化するため、高名な魔戒法師・リュメの住むラインシティへ向かう。そのラインシティはリュメの力でホラーを寄せ付けない街であったが、古の人型魔導具・阿号が、封印されていたホラーの腕を奪ったことにより、危機に陥ってしまう。人々を救うためガロとして戦う流牙は、阿号に圧倒されてしまう……。

牙狼<GARO>-GOLD STORM-翔


TVシリーズ『牙狼<GARO>~闇を照らす者~』で、新しい魔戒騎士として登場した道外流牙。黄金騎士としての力を取り戻し、莉杏と二人で旅立っていくところで『闇を照らす者』は終わりましたが、その後の4人はどうなったのか? 哀空吏や猛竜も気になりますが、今回は出番なし。ということで、この物語は流牙と莉杏の第2章のプロローグとなります。
『闇を照らす者』ではどことなく頼りなかった流牙ですが、今作ではその成長がにじみ出る、堂々とした佇まいを持っています。魔戒騎士としての貫禄という感じでしょうか。危なっかしさが感じられません。今回敵となる阿号はかなり強いので、当然のことながら大苦戦を強いられることにはなりますが、決してあきらめないその姿は頼りになります。
莉杏も、相変わらずのお茶目さを持ちながら、TVシリーズ以上のアクションを魅せてくれます。出会った頃と違い、流牙への信頼、それから想いがそこはかとなく感じられて、二人がすごくいい雰囲気です。エンディングでは、4月から始まるTVシリーズの映像が観られますが、莉杏のコスプレがまたまた登場するようです。今作ではそれがなかったのがちょっと残念。
さて、敵となる阿号ですが、この威圧感がすごかったです。本来であれば味方になるはずの魔導具だけに、敵となったことが非常に残念なキャラクターでした。ホラーのいない世界を作るために出した結論が流牙と敵対する結果となってしまった。その悲哀を背中に浮かべている、そんなキャラクターです。デザインはどことなく光人のように見えますが、きっと気のせいですw

牙狼<GARO>-GOLD STORM-翔

劇場版ということで、そのアクションもてんこ盛り。ワイヤーをふんだんに使った生身のアクション、殺陣はかなり見応えがあります。今回、舞台挨拶の取材もあったため、写真撮影者はいちばん前の席。アクションシーンは動きがすごくてちょっと最前列で観るのはちょっとつらかったです。スクリーン全体でものすごいスピードで動きますから細部が追えませんでした。
あと一つだけ残念だったのが、ハイウェイでの戦いの背景です。死闘を繰り広げる流牙と阿号。走っている車をもばんばん空を舞うような激しい戦いになるわけですが、その道に転がっている車の破片が……どうにもわざとらしい。ドアなどのパーツをバラバラにしました。戦いで壊れたように道にまきました。画面上でバランスよく見えるように並べましたという感じがしてしまったんですよねぇ。片付けるのはたいへんだと思うのですが、もう少し細かい破片や、あるいはガラスといったものが散らばっていたり、もちろん置く場所ももっとランダムだったらリアルだったと思うのですが、その1カットだけすごく気になってしまいました。それ以外のシーンがリアルだったからだと思うんですけどね。
さて、今回の目玉はなんといっても黄金騎士ガロ翔の誕生ですね。話としては、TVシリーズ『牙狼<GARO>-GOLD STORM-翔』の第0話ということでしたが、この映画だけできちんと1本にまとまっているので、プロローグ的な雰囲気はありません。むしろ、ガロ翔のお披露目のために作ったかなという感じです。TVシリーズでこの誕生物語をやったら尺取りますから、まずは映画でその誕生を描き、その後の冒険譚はTVシリーズでというところでしょうか。
その強さの一端は見えますが、この先、どのような活躍を見せてくれるのか。TVシリーズが非常に楽しみになる作品でした。
劇場版『牙狼<GARO>-GOLD STORM-翔』は、3月28日より全国ロードショーです。

©2014「GOLD STORM」雨宮慶太/東北新社
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