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『紙の月』吉田大八監督がApple Store,Ginzaでトークイベント

昨年の日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞した傑作『桐島、部活やめるってよ』を送り出し、次回作が熱望されていた鬼才、吉田大八監督の最新作・映画『紙の月』。
「八日目の蝉」をはじめ、女性を中心に抜群の信頼性と人気を誇る直木賞作家、角田光代の長編小説の映画化にあたり、日本を代表するトップ女優として多方面に活躍する宮沢りえが7年ぶりの映画主演を務めます。日本映画界最高峰のコラボレーションにより、心を揺るがす衝撃のヒューマン・サスペンスが誕生しました。
この度、吉田大八監督が、Apple Store,Ginzaの「Meet The Filmmaker」に登場、トークイベントを行いました。第27回東京国際映画祭のコンペティション部門に邦画で唯一、『紙の月』が選出されたことから、同映画祭同部門のプログラミング・ディレクター矢田部吉彦氏をモデレーターにむかえ、お話を伺いました。

紙の月


世界各国のApple Storeで開催されている「Meet The Filmmaker」は、これまでメリル・ストリープ、トム・ハンクス、ジェームス・キャメロン監督など世界的に著名な俳優や監督が登場し、その模様がPodcastでも配信されてきました。日本でも過去には山田洋次監督や岩井俊二監督をゲストに開催されました。
今回は吉田大八監督のフィルモグラフィーを振り返りながら、CMディレクターから長編映画を撮るまでの変遷、最新作『紙の月』の創作活動について、たっぷりとお話いただきました。

紙の月

日時:10月15日(水)19:00~20:00
会場:Apple Store,Ginza/アップルストア銀座3Fシアター
ゲスト:吉田大八監督
モデレーター:矢田部吉彦(東京国際映画祭コンペティション部門プログラミングディレクター)
・トーク内容
予約ですでに満席状態となった本イベント。
会場には吉田大八監督作品ファンや、Apple Storeらしくハイセンスなお客さんがたくさん詰めかけた。
CMディレクターとして映像の世界でキャリアをスタートさせた吉田大八監督は、20年経って初監督作品『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』で長編映画監督デビューを果たした。
「CMロケに行くときにいつも文芸集を買うんですが、そこに本谷有紀子さんの原作が入っていて、読み終わったあと『面白かった』というよりも映画ができた気がしたんです」と語り、ご本人に企画を持ち込んで、一緒に仕事をしていたスタッフが乗っかってくれたことで、意外と順調に進んだというエピソードを明かした。
「映画作りをどうやっていいか最初わからなかったけれど、撮影が終わって編集をしてみて、ある程度の手応えは感じた」と、今の監督の地位を確立する布石が当時すでにできていたことを思わせる言葉に客席も納得の表情だった。
続けて『クヒオ大佐』、『パーマネント野ばら』とヒット作を生み出し、どの作品にも「どこかで自覚しながらも勘違いをしている女性像」という共通性があるのでは、という指摘に吉田監督は「意図しているわけではないんです。現実とギャップがあるキャラクターというのは考えています。それに自分が男性だからかもしれませんが、男性より女性を描くほうが面白い。なんでもわかっている女性に対して怖れがあるのかも(笑)」と率直に語った。
本題の『紙の月』の話になると、吉田監督がさらに雄弁に。プロデューサーから企画が来たときには、「来たものを自分でどう打ち返すか」というのが自分のテーマと言い、「打ち合わせで無責任にしゃべっている間に自分の中で回路が出来上がったという。
原作との違いに関して問われると「原作どおりだと回想が多くなって、映画として重くなると直感的に思ったんです。逆に銀行の中のシーンが多くなって、宮沢さん演じる梨花がどういう表情で、横領して破滅していくのかを見てみたかった」と語り、宮沢りえさんの話に移った。

紙の月

「宮沢りえさんという女優については一言で言い表せない。女優オーラがすごい」と言いつつも、「プロフェッショナルで、監督として信用してくれて、自分がどう映るかよりも映画として必要なことを完璧にこなしてくださった」と感慨深くうなづいた。
そして宮沢さんの凄さが如実に表れたエピソードとして「梨花が普通の主婦から、銀行員としてパートから契約社員になって、横領に手を染めて、それがどんどんエスカレートして…と、彼女の表情の変遷が見て取れるんですが、順撮りできなくて撮影しているときもなんとなくうまくいってる気がしたんですけど(笑)、編集でつないでみてビックリ! 表情がちゃんとつながったいるんです」と語り、お客さんの期待感をあおった。
「自分史上、最大に音楽を使っている作品」と違う角度からのアピールもしつつ「自分の中でこういう作品と言いたくないんです。観る方によって違う作品になると思っているので、自分でも早く新しい『紙の月』に出会いたいです。公開したら、ぜひ観に来てください。」と締めくくった。
『紙の月』
11月15日(土)全国ロードショー!
(C)2014「紙の月」製作委員会